
そもそも、本を読むということは孤独な作業で、孤独になるということがどういうことかを実感することだ。
どこにも出かけず、誰にも会わず、誰とも話さず、なんにも聞かない。
たったひとりっきりになる。本の著者とだけ向かいあう。
その時間は、最初はわたしを「孤独に耐えることのできるわたし」へと鍛えゆく。
次にわたしを「孤独の中に落ち着いていることのできるわたし」へと、より広くて深いところへと、運びゆく。
そうして、ついにはわたしを、「こうごうしいわたし」へと目覚めさせゆく。
その目覚めの場所は、聖なるところで、自分でもいまだ見たことのないところである。
毎日、読む本を選ぶ。今日という一日(ひとひ)をこうごうしい一日にするべく、本を選ぶ。
その一日一日の積み重ねが、本当の意味で、わたしという人をわたしの外へと連れ出し、導き、ゆくべき場所へと至らせる。

