
京都御苑横の「母と子の森」へゆく道
ある保育園で保育士さんがわたしに話してくれたこと・・・。
ひとりの2歳児の子どもが、トイレのあと、ズボンを履くのにとても手間取っていました。
保育士さんは、他の大勢の子どもたちが外遊びに出て行ったあとも、慌てずにそのひとりの子どもにずっとつきあってあげたそうです。
そのことが、その子にとてもよかったようだと。
わたしも、それは、とてもよいことだと思いました。
人は、ひとりひとり、歩幅が違う。息遣いのリズム・テンポが違う。
とりわけ0〜3歳児の幼な子たちは、その歩幅をその歩幅のまま、その息遣いをその息遣いのまま、傍にいる大人から尊重されると、その子はきっと、自己肯定感をもって一生涯にわたって生きていく土台が築かれる。
おのれの歩幅をしっかりと歩むことができるよう、ひとりひとりの子どもを支えること。
おのれの息遣いをしっかりと遣い切ることができるよう、ひとりひとりの子どもの息遣いを見守ること。
それは、この上ない、その子、その子へのプレゼントです。
道を歩いて行くのに、前もって先々の見通しがあるから歩き始めるのではないはずです。
人がその人として生きていくのにたいせつなことは、まずは、歩きたいといふ欲求を大事にすることであり、次に歩いていく際に未来に対する見通しを前もって手に入れることではなく、自分自身の歩幅をよく知っていることではないでしょうか。
歩き方がしっかりとしていること、そのことが、その人をゆくべきところへと導いてくれます。

