2016年12月27日

舞台ニ立チシトキ


IMGP6646.JPG



「高瀬舟」公演ヲ前ニシテ。
この薄き 胸を貫き たまきはる いのち響(とよ)みて 世にしきなべよ
 
 
「高瀬舟」公演ヲ終ヘテ。
天(あま)駆ける 神なる龍の 涙こそ これより注ぐ 美(うるは)しの靈(たま) 
諏訪耕志

posted by koji at 22:43 | 大阪 ☁ | Comment(0) | うたの學び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月26日

大阪ノ住吉ニテ「ことばの家」二仕ヘハベリテ

 
いにしへに 波打ち寄せし 住吉(すみのえ)に あらたあらたに ことのはの波
諏訪耕志

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2016年12月23日

天長節ヲオ祝ヒシテ


光あれ この國あげて ことほがむ この代の君の み光あまねく
諏訪耕志

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2016年12月22日

フト鳥ノサヘズリヲ聽イテ


机ノ前ニ坐シテ本ヲ讀ミ耽リシ時、
フト鳥ノサヘズリヲ窓ノ外ニ聽イテ。
まなかひに 二羽のめじろの 睦ましく 葉かげに憩ふ わが胸の奥かも
諏訪耕志

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2016年12月18日

靖國神社ノ參道ヲ歩ミシ時ニ


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靖國の ま青(さを)き空に 羽ばたきし 白はとの群れ まぼろしならむや

我が胸を かくも清(さ)やかに 洗ふかも 冬のはぢめの 空のみず色

はるかなる 空の果てには 輝ける 神のみひかり 四方(よも)を照らしつ

諏訪耕志

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2016年12月15日

ものへゆくみち 〜萬葉集より〜


我が國の古(いにしへ)よりの暮らしの美しさ。

それは、
ものと云ふものを愛(いつく)しみ、
ものと云ふものに神を認め、
ものと云ふものの内側に入つていくことで、
世の森羅萬象に美を見いだしてゐたわたしたちの暮らしでした。

江戸時代の國學者、本居宣長は、
そのやうな自他の境を越えてひとつになつてゆく暮らしの方法を、
「ものへゆくみち」と謂ひました。

山をも、海をも、空をも、風をも、
いのちある自然とみて、
それらに包まれ、語りかけられてゐる己れを感じる。

暮らしの中の器物ひとつひとつとの交流。

いただく米、一粒一粒を通つて、
大いなるものに向かふ、人のまごころ。

ことば數は少なけれど、唇からこぼれるひと言ひと言の豐かさ。

今の暮らしは、昔とは隨分樣相は變はつてしまつたけれども、
さう云ふ「ものへゆくみち」を、
たつたいまからでも、
わたしたちは歩きはじめることができるのだと思ふのです。



先日の萬葉集のクラスで、大伴家持の歌が取り上げられました。
歌の季節は、いまとずれますが。

 春の苑(その)紅にほふ桃の花
 下照(したで)る道に出で立つ少女(をとめ)


この歌を詠んだ當時、家持は深刻な運命を生きてゐました。

しかし、それにもかかはらず、
彼は目の前の風景すべてに神を觀るがゆゑに、
ここに描かれてゐるものと云ふものすべてが、
まぼろしのやうに彼のこころの視界に浮かび上がり、
空間の彼方へと美しい心象となつて擴がりゆく。

まるで自分のからだが輕くなり、
透明になつたかのやうに感じながら、
言語造形を通して、息を解き放ちつつ、聲を響かせると、
この歌からさう云ふ感覺がからだまるごとで味ははれます。

目に見えないもの、こころに映る心象風景、
さう云ふものともひとつになることのできる、こころの力を、
昔の人は育んでゐたやうです。
 

浮き沈み おほわだつみに 漕ぎ出づる 舟導かむ 古人(いにしへびと)は
諏訪耕志


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満月ノ夜 赤穂浪士討チ入リニ寄セテ


わたしは五十二になり、念ひあつて、
詩歌、とりわけ和歌(やまとうた)の學びを始めてゐます。

ここに、拙歌を掲載していき、
少しずつでも、ことばのいのちに迫つていくことができるやう、
研鑽を積んでいきたいと思つてゐます。

皇神(すめがみ)の道義(みち)が言霊の風雅(みやび)として表れるべく、
我が國の詩人・文人たちがこころざしをもって修養した道に、
わたし自身も就くことで、
この國を支へる微力となりたいのです。


昨晩は、夜空に清々しい満月が輝いてをりました。
そして、あの赤穂浪士による討ち入りを想ひ起こす、
義士祭の夜でもありました。

煌々と満ちた月天心。
昨晩、娘と共に、望月を仰ぎ見たあと、
歌が湧き上がってきました。

清(さ)やけくも 我も誓はむ 望月に 撃ちてし止まむ 赤穂の魂(たま)よ  
諏訪耕志


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2015年01月01日

「いや重け吉事」 明けましておめでとうございます


新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)
                                   大伴家持

 
家族四人で、大声で、この歌を唱えました。
旧暦における年の初めに歌われた歌だし、大阪には今日雪は降ってはいないけれども。
 
何度も唱えて、ことばの家の空間が清爽な息吹に満たされていきます。
 
これは『萬葉集』最後の歌で、編纂者大伴家持最後の歌。
 
家持は、その歌に自分自身のその時の境遇における希いを籠めたのでしょう。
 
またそれだけでなく、『萬葉集』の最後にこの歌を置くことで、とこしえになべての日本人が年の初めに唱え、ことばの精神と共になること、その宗教的な希い、念いをもって、この日本最初の和歌(やまとうた)のアンソロジーを閉じたのでしょう。
 
そもそも、和歌とは、ことばの精神、ことばの神と繋がるべく、学ばれ修され実践されたひとつの信仰のかたちでした。
 
今年も「ことばの家」では、言語造形をもって、ことばの精神に芸術的に取り組むことで、その信仰に繋がってゆくような仕事を深めていきます。

いや重け吉事 (いやましに重なりゆけ、よきことよ)。
 
今年も、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。 

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