2017年06月21日

小夜更けて


隣の部屋で妻と娘二人がすうすう寝息を立てとる夜更けに、一人で酒を飲みながら思ふ。
 
静かやなあ。ええ夜やなあ。
 
なんやかんやゆうたかて、日本はええ国や。
 
そらあ、猥雑なところや、わやくちゃなところもあるかもしれんけど、風土や人情にすがすがしいところがある。懐かしいところがある。美しいところがある。
 
かういふ風土や人情いふのは、国あつてのことやけどなあ。国が潰れたり、他の国に乗つ取られたりしたら、昔から続いてゐるかういふ静けさも懐かしさも吹き飛んでしまふで。さう思ふんやけどなあ。
 
 
小夜更けて 水流れをり 静かにも 耳澄ましつつ さかずき挙げむ

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2017年06月09日

あをき空


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あをき空 涙流るる あをき空 いや澄みわたる こころ重ねて
諏訪耕志

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2017年05月22日

タチドマリ 初メテ見エシ


たちどまり はじめて見えし ゆらぐ世に こころもゆらぐ うるはしこの世
 
人はそも 立ち止まらずば 見えぬかも 風にたなびく 神のかなしみ


諏訪耕志

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2017年04月25日

春の夕べ


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わたしたちの暮らしてゐる町には竜神様が祀られてゐる万代池といふ池があり、そこで、わたしは幼い頃からずつと遊んできた。ここは、いつも、清浄な空気を湛えてゐるやうな気がして、思ひが屈するときなどは、必ずここへ足を運び、木の下に何時間も座つたり、がむしゃらに走つたりした。父親ともここでよく一緒に時を過ごした。今日は、その父親が身罷つてから丁度十年目の日だつた。様々な想ひ出がある。ここは、いつも美しい。春の夕べ。親父は、どうしてるだらう。

春十年(ととせ) とほくに仰ぐ 祖(おや)の影
その影いまだ 我を包めり

春十年(ととせ) とほくに仰ぐ 祖(おや)の影
年ゆくごとに 澄みわたるかも
 

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2017年03月30日

旧暦三月三日ノヒナマツリ


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春休みで家族全員揃ふ今日、一日早いけれども、「ことばの家」の旧暦三月三日のひなまつり。氏神様の生根神社にお参りしました。
 
春萌えて こころに匂ふ 桃の花 百とせ越へて 色あせるなゆめ
諏訪耕志



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2017年03月20日

春、花、蜂・・・


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はるかぜの はこぶはなびら かぐはしき
ほほゑみふふみ みずにうかびて


花は夢 色も調べも 流れゆく 
見れど飽かぬも 聴けど飽かぬも



諏訪耕志



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小町藤 ゆれしふさぶさ なにならむ
こころ目覚めし 春の訪れ

 

みつばちの 羽音さやぎて あふれでる
いのち嬉しや 小町藤波

 

諏訪耕志 

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2017年03月13日

龍ノマナコ


龍ノ形シタ雲ニ、
満月ノ光ガ、
丁度マナコノヤウニ輝クヲミル。
 
もちづきの まなこ光りて 駆けりゆく
如月一夜(きさらぎひとよ) 我も駆けらむ

 
諏訪耕志

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2017年02月28日

旧暦二月 三日月ノ夜二呟キヌ


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透きとほる 夜空のはてに 眉引きの 三日月みれば 君し念ほゆ
諏訪耕志                                  


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2017年02月08日

酒、キザハシナリ


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酒酌みて ひとり想ひは まろみたり あの世のちぎり ここにてなせりと
 
酒に酔ひ うつつか夢か にじみゆく すがたも面(おも)も 天(あめ)の写し絵
 
諏訪耕志

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2017年02月03日

身ニ染ミ入ル閑サヤ


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橿原の 杜の奥処(おくか)の 閑さや 凝りほどけし 神のまにまに 
諏訪耕志

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2017年01月20日

籠モリテ語ラハム


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冬一日(ひとひ) 風吹き荒れて 我ひとり 
籠もりて語らはむ 古人(いにしへびと)と

諏訪耕志

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2017年01月16日

雪ノ京都ニテ


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京都下鴨神社ノ摂社「河合神社」ニ詣デテ、
ソコニ祀ラレル玉依姫命ヲ訪ネユク。
下鴨に斎(いつ)き鎮まる常乙女(とこをとめ)ほほゑみわたれる白雪の花
諏訪耕志
 
 


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河合神社ヲ出デルヤイナヤ、陽ノ光差ス。
天(あま)照らす光は何のしるしやと斑雪(はだれ)の空に問ひかけし君
諏訪耕志

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2017年01月06日

天橋立ニ歸リテ


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伊邪那美(いざなみ)の 恕(ゆる)せし調べ 水面(みなも)にも
春の初めの 天橋立

諏訪耕志

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2017年01月02日

初春の歌


我ガ氏神様ノ生根神社、ソシテ大海神社ニ初詣ニ訪レテ。
初春の 神のやしろに つどひくる 民よ 我らよ 神代し念ほゆ
諏訪耕志
 

昨年の暮れ、フエイスブツクの「和歌の會」といふ、
やまとうたを愛する人たちが集ふ、
インターネット上のコミュニティーに参加させてもらえたことが、
わたしにとつては、永年憧れだけが募つてゐた歌づくりの道を歩みだす第一歩になつたのでした。
 
そこでは、気張ることなく、しかし、互ひに気遣ひを忍ばせながら、
歌のやりとりがなされてゐて、
まるつきり初心者のわたしでさへもが、
こころ安んじて厚かましく歌を投稿させてもらつてゐます。

歌、とりわけ、和歌(やまとうた)は、
まごころだけが載る、
不思議な文藝です。

和歌こそが日本の文學のおほもとであることを、
この歳になつてからだで感じることができたのでした。
 
「和歌の會」にいざなつてくださつた方、そして會の皆様に、
こころからの感謝を感じてゐるのです。

日本の歌と歌とが出逢う素晴らしい會へと、
「和歌の會」がいつさうなりゆきますやうに。 
 
日本語の奇しきさきはひを慈しむわたしたち。

皆様にとり今年も素晴らしい年になりますやうに。

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2016年12月27日

舞台ニ立チシトキ


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「高瀬舟」公演ヲ前ニシテ。
この薄き 胸を貫き たまきはる いのち響(とよ)みて 世にしきなべよ
 
 
「高瀬舟」公演ヲ終ヘテ。
天(あま)駆ける 神なる龍の 涙こそ これより注ぐ 美(うるは)しの靈(たま) 
諏訪耕志

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2016年12月26日

大阪ノ住吉ニテ「ことばの家」二仕ヘハベリテ

 
いにしへに 波打ち寄せし 住吉(すみのえ)に あらたあらたに ことのはの波
諏訪耕志

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2016年12月23日

天長節ヲオ祝ヒシテ


光あれ この國あげて ことほがむ この代の君の み光あまねく
諏訪耕志

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2016年12月22日

フト鳥ノサヘズリヲ聽イテ


机ノ前ニ坐シテ本ヲ讀ミ耽リシ時、
フト鳥ノサヘズリヲ窓ノ外ニ聽イテ。
まなかひに 二羽のめじろの 睦ましく 葉かげに憩ふ わが胸の奥かも
諏訪耕志

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2016年12月18日

靖國神社ノ參道ヲ歩ミシ時ニ


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靖國の ま青(さを)き空に 羽ばたきし 白はとの群れ まぼろしならむや

我が胸を かくも清(さ)やかに 洗ふかも 冬のはぢめの 空のみず色

はるかなる 空の果てには 輝ける 神のみひかり 四方(よも)を照らしつ

諏訪耕志

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2016年12月15日

ものへゆくみち 〜萬葉集より〜


我が國の古(いにしへ)よりの暮らしの美しさ。

それは、
ものと云ふものを愛(いつく)しみ、
ものと云ふものに神を認め、
ものと云ふものの内側に入つていくことで、
世の森羅萬象に美を見いだしてゐたわたしたちの暮らしでした。

江戸時代の國學者、本居宣長は、
そのやうな自他の境を越えてひとつになつてゆく暮らしの方法を、
「ものへゆくみち」と謂ひました。

山をも、海をも、空をも、風をも、
いのちある自然とみて、
それらに包まれ、語りかけられてゐる己れを感じる。

暮らしの中の器物ひとつひとつとの交流。

いただく米、一粒一粒を通つて、
大いなるものに向かふ、人のまごころ。

ことば數は少なけれど、唇からこぼれるひと言ひと言の豐かさ。

今の暮らしは、昔とは隨分樣相は變はつてしまつたけれども、
さう云ふ「ものへゆくみち」を、
たつたいまからでも、
わたしたちは歩きはじめることができるのだと思ふのです。



先日の萬葉集のクラスで、大伴家持の歌が取り上げられました。
歌の季節は、いまとずれますが。

 春の苑(その)紅にほふ桃の花
 下照(したで)る道に出で立つ少女(をとめ)


この歌を詠んだ當時、家持は深刻な運命を生きてゐました。

しかし、それにもかかはらず、
彼は目の前の風景すべてに神を觀るがゆゑに、
ここに描かれてゐるものと云ふものすべてが、
まぼろしのやうに彼のこころの視界に浮かび上がり、
空間の彼方へと美しい心象となつて擴がりゆく。

まるで自分のからだが輕くなり、
透明になつたかのやうに感じながら、
言語造形を通して、息を解き放ちつつ、聲を響かせると、
この歌からさう云ふ感覺がからだまるごとで味ははれます。

目に見えないもの、こころに映る心象風景、
さう云ふものともひとつになることのできる、こころの力を、
昔の人は育んでゐたやうです。
 

浮き沈み おほわだつみに 漕ぎ出づる 舟導かむ 古人(いにしへびと)は
諏訪耕志


posted by koji at 16:27 | 大阪 ☀ | Comment(0) | やまとうたの學び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする