2008年05月19日

稽古という行動〜「正法眼蔵」から〜(1)

頭で考えられたことばでなく、
身体で確かめられたことば、身体で生きられたことばのみが、
人から人へと深みにおいて伝わっていく。

仕事において、そのことを日々、痛感しています。

道元の「正法眼蔵」という本があるのですが、
この本は、しっかりと腰を据えて読もうとすればするほど、
わたしを必要以上に観念的にせず、
生きることの具体的な実践へと促してくれます。

わたしの場合は、この本を読んでいますと、
言語造形の稽古をしたくなってくるのです。

稽古せずにいられなくなってくるのです。

いま、立ち上がって、基礎練習から始めたくなってくるのです。

この「正法眼蔵」を読み進めるために、
森本和夫さんの「『正法眼蔵』読解 全10巻」をわたしは使わせてもらっているのですが、
この森本さんの本は本当に「読む」ということを丁寧にさせてくれます。




一文一文、一句一句、一語一語、
噛み砕き、繰り返し味わい、理解していこうとするその「読み」は、
道元の言語世界・言語宇宙(それは、「わたし」の言語世界・言語宇宙でもありえます)へとわたしを誘うと同時に、
「読む」そのたびごとにわたしを稽古という行動へとせき立ててくれます。

それは、取りも直さず、
道元のことばが、森本さんのことばが、身体を通したことばである、
とわたしが感じているからでしょう。

また、道元が語る「祗管打坐(しかんたざ)」、
ただひたすらに坐禅することの深みと、
わたしたちが言語造形に取り組むにおいて、ただひたすらに稽古していくことの深みとが、
響き合っているとわたしが感じているからでしょう。

この響き合いについて、これからも追い追い書いていきたいと思います。


posted by koji at 19:58 | 大阪 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
■ 新着記事
こころのこよみ(第45週) (02/15)
人は心臓で考えることができるようになる! (02/12)
こころのこよみ(第44週) (02/08)
『コミュニケーショントレーニングネットワーク岸英光さんとのトークライブ』 ひのみやこ 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座 @宮城蔵王 清水絢子 高橋愛満 諏訪耕志 (02/06)
教師に必要なものは無言のうちのこころもち (02/02)
こころのこよみ(第43週) (02/02)
胸に炎を灯し続けるために シュタイナー「血のエーテル化」より (01/31)
こころのこよみ(第42週) (01/25)
アドリブでお話を語ってみる (01/19)
こころのこよみ(第41週) (01/18)
■ カテゴリ
クリックすると一覧が表示されます。
ことばづくり(言語造形)(243)
アントロポゾフィー(180)
断想(569)
講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告(452)
こころのこよみ(魂の暦)(489)
動画(323)
農のいとなみ(1)
うたの學び(88)
神の社を訪ねて(37)
アントロポゾフィーハウス(92)
声の贈りもの(5)
読書ノート(71)
絵・彫刻・美術・映画・音楽・演劇・写真(41)
ことばと子どもの育ち(13)
「ことよさしの会」〜言語造形に取り組む仲間たち〜(11)
■ 最近のコメント
待ち望まれてゐることばの靈(ひ)〜「こころのこよみ」オンラインクラスのご案内〜 by 諏訪耕志 (04/03)
こころのこよみ(第1週) 〜甦りの祭り(復活祭)の調べ〜 by (04/09)
12/10(土・夜)12/11(日・朝)オンライン講座「星の銀貨」を通して〜人への無理解と憎しみについて〜 by アントロポゾフィーハウス (12/07)
穏やかで安らかなこころを持ち続けること、しかし、目覚めること by 諏訪耕志 (04/23)
教育の根本 by 諏訪耕志 (06/21)
■ 記事検索
 
RDF Site Summary
RSS 2.0