
12年前のことを想い出して・・・
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5歳の次女が、お姉ちゃんの横でじっと、わたしの読み聞かせを聴いています。
ミヒャエル・エンデの『モモ』です。
5歳の次女、分かってても分かってなくても、じっと耳を澄まして聴いている。
今日は、前半のクライマックスと言ってもいい、「時間どろぼう」の章に差し掛かってきた。
「時間どろぼう」の語りかけることばにこころを奪われてしまった人は、いかに時間を節約して、いかに無駄を省き、いかに計算通りに効率的に生きていくかに血道を上げていくことになる。
その生き方、そのこころのあり方が、他の誰でもない、まさに俺のことではないか!
「時間がない」「・・・が足りない」「足りない」「足りない」・・・。
そんな、思考にもならない深い感情のところで何かに急かされるやうに意識が焦っている。
そして、どれほど子どもの前で「早くしなさい!」「ぐずぐずするなっ!」ということばを連発していることだろう。
自分自身のあり方が戯画として描かれているのを観て、『モモ』を読むそのたびごとに、こころが目覚めるのです。
「時間どろぼう」に取りつかれていたわたしを、この読書が治癒するのです。
この本を読むことで、お父さん自身の呼吸がだんだんゆっくりとなり、表情も豊かに優しくなってくるのを、子どもたちも感じるのでしょう。
「お父さんが『早くしなさい!』なんて言う時、時間どろぼうがお父さんの背中に張り付いてるねん」なんてことをわたしが話しても、娘たちはにこにこして、親のそんなあり方を懐深く広く受け止めてくれる。
次女がこんなことを今日言ったので大笑いしました。
「生まれてくる前に、神さまにお願いしてん。時間どろぼうさんが一杯いるところやなくて、「ことばづくり」さんが一杯いるところに生まれますようにって。そやからお父さんも「ことばづくり」さんになってん」
そうや、そうや、ことばづくりをするから、普段よりもずつと息を深くして間(ま)をもってことばを話すことができるな。ことばづくりさんは、時間どろぼうさんを追い払うんや。
そんなことを娘たちと話して笑いながら、本当にことばづくりさんがある意味をいつもよりも深く感じたのでした。
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