
フリードリッヒ・リッテルマイヤーの『ルドルフ・シュタイナー 〜我が生涯の出会い』を読みました。
ルドルフ・シュタイナーは、1925年3月30日にこの世からみまかりましたが、その葬儀の時までの十四年間にわたる交流を描いたドキュメントです。
シュタイナーが公の読者に向けて書き、聴衆に向けて発したことばは、350冊を超える著作や講演録で読むことができます。
しかし、信頼できる人とふたりきりのときに語られた彼のことばには、本当に掛け値なく、愛が満ちていて、読んでいる間中、わたしはずっとこころが揺さぶられ、この本を手に入れてから一気に読み通してしまいました。
そして、著者リッテルマイヤーのこころの震えるような動きが読み手であるわたしの身にもリアルに感じられるのでした。それは、おのれを懸命に保ちながら、真に偉大な人物と面と向き合うときのこころの震えです。
まさに、「畏(おそ)れつつ敬う」というこころの状態が、いかなる人を前にしたときにおのずから生じるのか、ということが、リッテルマイヤーの愛に満ちた、かつ、節度ある文体を通して存分に読み手のわたしに伝わって来るのです。
そして、リッテルマイヤーはシュタイナーと共にいるとき、本来の意味でどこまでも自由なのです!
「シュタイナー」という人の名に少しでも関心のある方なら、ぜひとも手に取って読んでみられることをお勧めしたい一冊です。
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