秋の祭りである、ミカエルのお祭り。
それは、夏の間、高く大いなる世に拡がつてゐたわたしたちのこころと靈(ひ)が、冬のクリスマスに向けて、再び、わたしたちのからだへと戻りくることを、強く、確かに、促すためのお祭りです。
だからこそ、この秋のお祭りを創ることによつて、人は、自分自身の本当の理想やまことの考へをふさはしく、靈(ひ)の鉄の剣をもつて「ことば」にする力、「ことば」に鋳直す力を得ることができるのです。
言語の理想主義。
それは、わたしたちのこころを健やかに甦らせてくれます。
アントロポゾフィーから、そのやうな靈(ひ)のお祭りを創つてゆく。
それは、アントロポゾフィー運動のひとつの仕事なのです。
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『ミカエルのお祭り』ルードルフ・シュタイナー
我々、いまを生きる人
靈(ひ)の朝の呼び聲
ミカエルの朝の呼び聲を
ふさはしく聴き取りてしかり
靈(ひ)を知ること
そはこころに啓かむ
まことの朝の呼び聲への聴き耳を
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靫(ゆき)懸(か)くる伴(とも)の男(を)広き大伴(おほとも)に国栄えむと月は照るらし(萬葉集1086)
国のはじまり以来、宮廷を守り続けて来た武門「大伴氏」。
靫(ゆき)を背に懸(か)け勢揃ひした大伴のつはものたちの集団に、「国栄えんと」月が照つてゐる。
引き締まる秋の目覚めを思はせる。
なにゆゑか、諏訪家の娘たち二人が幼い頃、この歌を好みました。
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