人は、13、14歳ごろから性的な成熟がからだに現れて来ます。
男の子は、男のからだのありようへ、女の子は女のからだのありようへと、成熟していく。
しかし、ちょうど、そのころ、男の子のエーテルのからだは、まさしく女性の姿をとり始めるのであり、女の子のエーテルのからだは、男性の姿をとり始めます。(※)
そうして、フィジカル(物理的)なからだにおいて性が表立つことに対して、エーテルのからだにおいては、その対の性を姿としてとることで、人としてのバランスをとらせるという、神の計らいなのでしょうか。
さて、ここで、『古事記(ふることぶみ)』の話になります。
そこにおいては、とりわけ神代の巻にはエーテルの世のありようが描かれてあります。
天照大御神は高天原において、太陽を司る「女神」として描かれています。
それは、いまだ、フィジカル(物理的)な状態にまで凝ってはいないエーテルの状態の太陽が女性的な姿をされておられるからです。
そして、フィジカルな次元では、太陽は、まさしく男性的な働きを荷つて下さっています。
それは、光と熱を通して、すべての地上のものに命を吹き込む、受精させる、そんな働きです。
一方、月は、エーテル界においては月読命(つくよみのみこと)という「男神」として描かれています。
そしてフィジカルな次元では、月は、まさしく、女性的な働きを荷つて下さっている。
太陽の光を照り返し、夜の国をしろしめされておられる。
『古事記』は、そのように、この大宇宙と地球のなりたちをエーテルの次元において、さらにアストラルの次元において、さらにまぎれない靈(ひ)の次元において、描いているのです。
※Rudolf Steiner : Gegenwärtiges Geistesleben und Erziehung 第4講より
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