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哲学とは、こころを透明にして行く内なる作業。
世の拡がりと深みへとこころを赴かせる作業。
そして、喜びをもって活き活きとこころを繰りなして行く作業。
考える働きが健やかに繰り出されゆくことに、人は喜びを感じずにはいられない。
なりなりてなりゆく考える働きは、その人自身をも、なりなりてなりゆかせる。
「持続する思考」とベルクソンが言う、その営みは、わたしたちの日々の暮らしの表での有効性、有用性に向かうのではなく、底にしずしずと流れている地下水のように持続している宇宙の営みとリズムを合わせゆくこと。
そのリズムは、精神の生命のリズムでもあるから、ことばのリズムとひとつになって、人と人とを深みにおいて結ぶ。
哲学とは、そのような、愛の行いであること。
前田氏が綴る文体のリズムとシンフォニックな構成(それは読み込むにつれて感得されて行く)が、ベルクソンというひとりの人とわたしを、そして、宇宙の考える営みとわたしを、結んでくれる。
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