先日、京田辺シュタイナー学校で、ことばづくり(言語造形)の研修を先生方とさせていただきました。
ちょうど、夏の祝祭「ヨハネの祭り」が近づいて来ていますが、研修の時間の中で、その「ヨハネの祭りの調べ」を先生方と共に生きることができたように実感しています。
「ヨハネの祭りの調べ」とは、どのような調べなのでしょう。
それは、大人であるわたしたちが、いまいちど、子どもに還るかのように、地上的・物質的なところから己れを解き放ち、天へと昇りゆくエーテルの拡がりを生きることによって聴き取られるものなのです。
いま、この季節、多くの人が、この世への拡がり、宇宙への昇りゆきを生きることができず、逆に、地上的なものに縛り付けられているがごとく、考えと情が固くこわばってしまっておられます。
これは、この季節ならではのことなのですね。
地球の吐く息に沿って、わたしたちひとりひとりの人も、天空へとエーテルとアストラ―ルのからだの拡がり、昇りゆきを生きていい、この季節だからこそ、そうはさせまいとする悪の力が強く激しく働くのです。
こうして、神々が望む人の成長を妨げるために、悪の力(ルーシファー、アーリマンをはじめとする悪魔たち)は人の内側を攻撃します。
それゆえ、人は昔から、祭り、祝祭を営んで来ました。
己れのいのちとこころの営みを肉のからだから自由にするべく、歌い、踊り、舞い、ことばを高らかに唱えました。それは、陽に向かって昇りゆく炎のような情熱的な夏のお祭りでした。
そういったいにしえの祭りに対する感覚、感情、感激を失ってしまっているわたしたち現代人は、これから、意識的に、その祭りを靈(ひ)の観点、次元から、新しくつくってゆくのです。
そのためには、芸術実践こそが要なのであり、ことばづくり(言語造形)を通して、人は新たな意識をもって、四季の祭りづくりをしていくことができます。
先日の先生方との研修も、そのような祭りのような時間になりました。
一日の授業のあと多分相当お疲れになっておられたと思うのですが、萬葉集の数々の和歌(うた)が、先生方のこころのからだ(アストラ―ルのからだ)を羽ばたかせ、いのちのからだ(エーテルのからだ)が活き活きとした流れを取り戻し、お風呂上がりのような紅潮されたお顔でその時間を終えたのでした。
常に、地上的・物質的・エゴイスティックなものに縛りつけられようとしているわたしたちには、「祭り」が要ります。
※写真は、FACEBOOKの学校のページからお借りしました。
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