メディテーション(瞑想)において内に響かせられることばは、お日様に向かう花弁のように、こころに靈(ひ)を取り入れる入り口になります。
そして、ことばづくり(言語造形)で養われることばの感官(言語感覚)は、メディテーション(瞑想)するときにおいて、とてもたいせつなものです。
ことばに意味だけを求めるのではなく、その響き、リズム、動き、かたち、バイブレーションをありありと見て、聴いて、感覚する。
その機能と器官が、ことばの感官です。
このことばの感官が、日常のことばの世界を離れた、靈(ひ)の力を呼び集めてくれます。ことばづくり(言語造形)はこの感官を養います。
そして、日本人は、和歌や俳諧などことばの芸術を通して、ずつと、この「ことばの感官」を養い続けてきました。
また、この感官は、みずからの動きを感覚する動きの感官(運動感覚)と表裏一体のものですので、からだの動きを養うことでもあります。
しかし、この動きというものが、静かさ、安らかさと共にある。
せわしなく動きまわるのではなく、静かさが動いている。
そういう感官の働きを養います。
日本の神話に、「天(あめ)の安(やす)の川」という川が、出てきますが、あの高天原(靈の世)に流れている川は、弥(ゐや)進む川、流れ流れて流れつづける川でありつつ、その流れは安らかで、しずかなのです。
靈(ひ)とは、常に、一瞬も休むことなく動き続けていますが、しずかさを失わず、光が凄い勢いで流れている。
そのいのちの靈の流れは、人の疲れて病んだこころとからだを癒し、生命力を甦らせるのです。
そんな靈の流れ、天の安の川の水と共に、言語造形をしていきたいと思います。
滞らずに、安らかに、動きの中に入って行く。
それこそが、こころに健やかさをもたらし、また、人体の免疫力を上げる上で、とてもたいせつなものです。
メディテーション(瞑想)、そしてことばづくり(言語造形)。
それは、靈から生まれて来る学びと芸術です。
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