シュタイナーの『こころのこよみ』の学びを毎週日曜日の夜、クラスの皆さんと進めています。
ことばの息づかいと響きをたいせつにしながら言語造形を通して詠み味わってゆくと、オンラインのクラスであるのにもかかわらず、空間にひろがる感覚が、頭へではなく、我がこころと胸に何かを語りかけてくれるのを覚えることができます。
その感覚を受けとる「ことばの感官」。
それは、聴く感官(聴覚)ではなく、ことばのことばたるところを受けとる感官なのです。
その感官が育まれることによって、わたしたちは靈(ひ)のことば、言靈(ことだま)というものを覚えることへとゆっくりと導かれてゆきます。
そして、響きと意味、感覚と思考、欲することと考えること、迎えることと向かうこと、こころの内のこの両極のふたつの営みが重なり、わたしたちのこころに釣り合いをもたらそうとしてくれているのを感じるのです。
そういう学びを深めてゆくに従って、『いかにして人が高い世を知るにいたるか』における「ひめやかな学び」がたいせつなものであることが、こころに沁みるように感じられます。
このように、『こころのこよみ』がもたらす靈(ひ)の働きを確かに受けとることと、『いかにして人が高い世を知るにいたるか』のひめやかな学びとが、こころの深みで繋がりあっています。
その繋がりは、次のようなことをもたらそうとしてくれます。
「靈(ひ)が生きてある」ということへの実感と理解。
そして、その実感と理解の重なりを、暮らしに注ぎゆくこと。
実際に、靈(ひ)の生活を毎日育んでゆくこと。
アントロポゾフィーは、理解への道だけでなく、「練習の道」を21世紀のわたしたちに提示しています。
【アントロポゾフィーの最新記事】
- 我がこころのこよみ
- 「分かる」の深まり
- ヨハネの祭り 夏、地を踏みつつ天へと羽ば..
- 夏至考
- 幼な子の夢見る意識を守ること
- メディテーションのことばと言語造形
- 音楽家ツェルターに宛てた手紙から ゲーテ..
- 『神秘劇』(シュタイナー作)より
- 日本における聖き靈(ひ)の降り給ふ祭り(..
- 教員養成講座 受講生のことば
- アントロポゾフィーを分かち合う場
- ことばが甦るとき
- 破壊のかまど
- 冬、それは見えないものを考える季節
- 本を通して自由になるといふこと
- クリスマス・新嘗祭への備え 〜いのちの営..
- むすんでひらいて
- ヨハネの祭り 夏、地を踏みつつ天へと羽ば..
- 促成栽培的でない自己教育の道
- 聖き靈(ひ)の降り給ふ祭