
おひさまの丘 宮城シュタイナー学園での、12月の教員養成講座を今日終えました。
オイリュトミーの他、『古事記(ふることぶみ)の傳へ』と題した古事記の原文のままのテキストをそのまま身体化し、演劇としたものに取り組んだのでした。
今から一千三百年から二千年以前の日本語です。
そういったことばを生き、神々を演じることを通して、現代人であるわたしたちの、こころばかりか、全身が感情に貫かれたなら、そのとき、神々によるいにしえの次元といまのわたしたちとが一気に繋がるのです。
そのことを目指して、ことばの意味だけでなく、その響きの質や文のリズム、さらには、音韻のかたちと動きを表現していくのです。
また、今回は、さらに、演じ手が身振りをことばに注ぎ込むことによって、ことばがいのちを甦らせるのでした。
ことばというものは、人のこころ(アストラ―ルのからだ)から発されます。こころが活き活きと働くからこそ、ことばがいのちを湛えるのです。
そのことに取り組んで行くには、自分自身のこころを活き活きと働かせる稽古を重ねていくことになります。
こころを活き活きと働かせるためには、どうすればいいのか。
そこに、教員養成において、ことばの芸術、言語造形に取り組む意味があります。
子どもたちに向き合うため、わたしたち大人は、まずもって、我がこころを活き活きと働かせることを意識的にできるようになっていく必要があるということなのですね。
そのためには、からだ全身を用いて、ことばを話す練習をするのです。
そういうことばの話し方は、実は、古代の方々がなしていたことでした。
だからこそ、古代の、いにしえの、人々、いや、神々の手ぶり、身振りをわたしたちは学んでゆく必要があるのです。
そのためのうってつけのテキストが、日本文学には数多ありますが、その原型はまぎれなく『古事記(ふることぶみ)』なのです。
ことばを口先だけでやりとりするのではなく、からだまるごとを用いて、こころを活き活きと働かせつつ、精神を表現していく。
これが、教育の要のひとつですし、人としての重きをなす課題なのです。
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