たとえば、米粒のようなほんの小さなものでも、そこにはいのちが宿っている。その一粒の米粒に、こころからじっと向き合ってみる。こころを込めて、そのものに意を注ぎ込んでみる。そのいのちの営みに、眼差しを注ぎつつ、受動的でなく、積極的にいのちの法則に沿って考える働きを重ねてゆく。一粒萬倍に稔りゆくすがたを想い描きながら、「いのちは繰り出す」という考えをありありと抱きつつ、その一粒の米粒を見つめ続ける。
すると、我が胸が、心臓が、その考えに促され、ときめき始める。感情が呼吸を始める。その情の息づかい、そのときめきを育ててゆくことが、クリスマスという聖き夜に向かいゆくための備え。
古来わたしたちのご先祖様たちが旧暦11月23日の新嘗祭(にいなめのまつり)という祭りを迎えるためになしていた備え。
新暦という今の数え方だと、2024年1月4日がその日だ。まさに、クリスマスの時(12月24日の夜から1月6日の朝まで)に重なる。
新嘗祭は、クリスマスの祭りであった。
クリスマス、そして昔の新嘗祭は、ひとりひとりの人の胸の奥深くに、真新しく清らかな幼なごころ、まごころ、靈(ひ)の生まれ出づる時。陽の神イエス・キリスト、歳神さまが生まれ出づる時。
その幼なごころ、初心をもって、「ありがとうございます」、そして「おめでとうございます」と述べあう時。
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