巻向の 痛足(あなし)の川ゆ 往く水の
絶ゆること無く またかへり見む
柿本人麿歌集 (萬葉集1100)
奈良県桜井市にある巻向山。その山のほとりに、穴師坐兵主神社(あなしにますひょうずじんじゃ)がまこと静かに鎮まつてあります。
萬葉集における代表的歌人、柿本人麻呂は、その穴師の山人(やまひと)の出だと地元の人は語つてゐたさうです。
穴師の山から降りて来たその山人は、神のことばに通ずる人であつたこと。
その子孫であられたであらう、柿本人麻呂が、大和朝廷における宮廷歌人として言霊を幸(さき)ははせ、大和歌の真髄を詠ひ上げることによつて、後の代の国と人のまごころを守つたといふこと。
そのことを誰よりも大伴家持は認め、人麻呂の歌を軸として、萬葉集を編んだのです。
それらのことの内実、精神を、昭和の文人、保田與重郎が語り尽くしてくれてゐます。
ことばと人。
そのつながりは、人をも、国をも、神をも、共に甦らせる、言霊の風雅(みやび)に通はれたものなのです。
これからも、アントロポゾフィーに学びつつ、言語造形の研鑽に励みつつ、発信を続けて参りますので、どうぞよろしくお願ひいたします。
言語造形(Sprachgestaltung)とは、ルドルフ・シュタイナーのアントロポゾフィーから生まれた、ことばの芸術です。ことばを話すことが、そもそも芸術行為なのだといふことを、シュタイナーは、人に想い起こさせようとしたのです。
わたしたち「ことばの家 諏訪」は、大阪の住吉にて、その言語造形を学ぶ場を設けています。
「ことばの家 諏訪 言語造形のためのアトリエ」
https://kotobanoie.net/
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