
「子ども時代」の第一・七年期、0歳から7歳にいたるあたりまで、幼い子どもは、自分のすべてを委ねることができるひとりの大人を必要としています。
その一対一の関係を通して、子どもは「世は善きところである」という信頼を、きっと、ますます深めていくことができるのでしょう。
その個と個の関係において、まず最初の<わたし>の健やかな成長がなされていきます。
幼な子は、ひとりの大人の存在を必要としています。
その子の内側から湧き上がってくる「欲する働き・意志・意欲」を、そのままその子固有の「欲する働き・意志・意欲」として受け止めてくれる、ひとりの大人の存在を、です。
その個と個の関係、一対一の関係を育む場として、家庭があり、その延長線上に幼稚園、ないしは保育園がある。
この第一・七年期の子どもの健やかな成長を指し示すような童歌があって、まどみちおさんが作詞した「ぞうさん」があります。
ぞうさん、ぞうさん、おーはながながいのね
そうよ、かあさんも、なーがいのよ
ぞうさん、ぞうさん、だーれがすきなあの
あーのね、かあさんが、すーきなのよ
幼い子どもが、ひとりのお母さん(もしくは、それに代わる誰か)との結びつきを通して、個と個の信頼を育んでいる姿が描かれていますね。
ひいては、自分自身への信頼をも育んでいます。
第一・七年期の子どもの成長にとっての大切なテーマでもある、この個と個の関係性。
それは、まずは、むしろ、わたしたち、ひとりひとりの大人の間でこそ、育まれるべきものなのかもしれません。
家庭の中における個と個の関係性、家庭の中における夫と妻の関係性、そこには、その人の幼い頃の第一・七年期のありようが映し出されているはずです。
もしかしたら、わたしたちは、その意識を持って、己れ自身の個としてのあり方、そして、相手を個として敬えているのかどうかを見て取る必要があるのかもしれません。
そのことが、もっとも現代的なテーマとして、わたしたち大人が向かい合って行っていいことだと、あらためてわたしは考えさせられています。
【アントロポゾフィーの最新記事】
- おお 盲(めし)いしこころよ(『死者の書..
- 草薙剣(くさなぎのつるぎ)
- 仲間のこころに出会ふことの大切さ
- 子どもの内に入ってゆく
- 子どもたちの瞳の奥に輝いている靈(ひ)
- 冬と夏の対極性を感じ切る
- 草木や花 陽の光に生きる 人 こころの光..
- 子どもへの教育における『普遍人間学』の大..
- アントロポゾフィー 人であることの意識
- 死にし者への祈り
- 理想をことばに鋳直すお祭り ミカエルのお..
- エーテルの世を描いている古事記
- 我がこころのこよみ
- 「分かる」の深まり
- ヨハネの祭り 夏、地を踏みつつ天へと羽ば..
- 夏至考
- 幼な子の夢見る意識を守ること
- メディテーションのことばと言語造形
- 音楽家ツェルターに宛てた手紙から ゲーテ..
- 『神秘劇』(シュタイナー作)より

