2023年05月09日

子どもたちが生き抜いていけるために シュタイナー教育


子どもたちが 生き抜いていけるために.jpg



今、この時代に大人が子どもたちにできることとは、何だろうと、考えています。


このときにあって、わたしたち大人がいま、子どもたちのために、もっとも意識して創り上げていくべきもの。


それは、人と人との間の信頼、そしてそこからこそ生まれる「つながり」だということに、今更ながらなのですが、何度でも繰り返して思い至るのです。


この現代の社会的混乱は、わたしたちにいま一度、人と人との間の信頼というものを取り戻せ、そして、大人たちよ、そのために、いま一度、目覚めよ、というメッセージを送ってくれていると思われてなりません。


子どもは、大人たちの間の信頼関係をこそ土台にして、人として成長していくことができる、自分の<わたし>を育んでいくことができる。


もしかしたらこれから、子どもたちにとって、こころの上でも、からだの上でも、健やかに生きていくことが大変厳しい時代になろうとしているのなら、わたしたち大人は、なんとかして、子どもたちひとりひとりの個の成長、子どもたちの内側から発し、伸び、花開こうとする<わたし>の力を、邪魔しないようにしなければならない。


そうして子どもの中で育った<わたし>のみが、外の世からやってくる様々なものに太刀打ちできる。


これからの時代は、世の多くの人が言っていることに従うような人ではなく、ひとりひとりの内側からの<わたし>の力を持つ人のみが、困難な道を切り開いて、生きて行くことができる。


そのための具体的、かつ発展的な示唆が、シュタイナー教育によってなされているのですが、そのような教育上の示唆以上に、子どもの側にあるわたしたち大人のありようそのものが、これからはますます問われていくでしょう。


大人と大人の間の信頼関係を肌で感じることによって、そしてひとりひとりの大人の自己信頼から生まれる気概に接することによって、子どもは自分自身の〈わたし〉を育んでゆくことができる。


人と人との信頼からこそ生まれる「つながり」。


そして、こここそが、最も重きをなすことなのですが、その「人と人との間のつながり」の基は、ひとりひとりの人の内から発せられる自己信頼の光と力にある、ということなのです。


その光と力を己れのものにしていくためには、大人自身が、何よりもまず、みずからを律し、考えと情を整え、ことばと行いを一致させ、毎日を丁寧に生きて行くことがどうしても、要ります。


すべての人間関係の問題、社会問題の根底には、それらへの取り組みの如何が横たわっています。


そのことに真摯に取り組んでいくのに、アントロポゾフィーからのこころの練習の必要性が、ますます、感じられるのです。





posted by koji at 06:58 | 大阪 | Comment(0) | アントロポゾフィー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
■ 新着記事
2025年度 こころのこよみ オンラインクラス 始めます (03/20)
こころのこよみ(第49週) (03/15)
互いを讃え、敬うことへの意識のなり変わり (03/11)
日本昔話 花咲か爺 (03/10)
こころのこよみ(第48週) (03/07)
ひのみやこ 宮城蔵王シュタイナー教員養成講座 (03/06)
心臓の蓮の花から生まれる愛 (03/06)
こころのこよみ(第47週) (03/01)
世の冷たさに立ち向かふこと それがわたしの使命 (02/28)
生きとし生けるものとの対話 〜ひのみやこ 宮城蔵王シュタイナー教員養成講座〜 (02/27)
■ カテゴリ
クリックすると一覧が表示されます。
ことばづくり(言語造形)(243)
アントロポゾフィー(180)
断想(570)
講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告(456)
こころのこよみ(魂の暦)(493)
動画(328)
農のいとなみ(1)
うたの學び(88)
神の社を訪ねて(37)
アントロポゾフィーハウス(92)
声の贈りもの(5)
読書ノート(71)
絵・彫刻・美術・映画・音楽・演劇・写真(41)
ことばと子どもの育ち(13)
「ことよさしの会」〜言語造形に取り組む仲間たち〜(11)
■ 最近のコメント
待ち望まれてゐることばの靈(ひ)〜「こころのこよみ」オンラインクラスのご案内〜 by 諏訪耕志 (04/03)
こころのこよみ(第1週) 〜甦りの祭り(復活祭)の調べ〜 by (04/09)
12/10(土・夜)12/11(日・朝)オンライン講座「星の銀貨」を通して〜人への無理解と憎しみについて〜 by アントロポゾフィーハウス (12/07)
穏やかで安らかなこころを持ち続けること、しかし、目覚めること by 諏訪耕志 (04/23)
教育の根本 by 諏訪耕志 (06/21)
■ 記事検索
 
RDF Site Summary
RSS 2.0