2023年03月16日

日本昔話「舞ひ戻つた蝶」






【教師から子どもたちへの語りかけ】

・・・ねえ、蝶が、蛹から出て来るのを観たことがあるかい?同じように、人は、死が訪れると、からだからこころが抜け出して飛び去ってゆくのだよ。蛹から蝶が抜け出し、飛んで行くようにね・・・


【教師の内なる確信】

神は、とこしえというものを人が分かるようにと願った。だからこそ、蛹から蝶が生まれるという絵姿を人に与えて下さったのだ。このような絵姿は、人が勝手に作り出せるものではない。神が、この絵姿を人の前に描いて下さっている。わたしは信じている、この絵姿がまことであることを・・・


【ルードルフ・シュタイナーからの伝え】

子どもたちを教えるにあたって、「子どもは愚かだから、利口なわたしが教えねばならないのだ」と考えている教師は、何ひとつ子どもに授けることはできないのです。密(ひめ)やかながら、子どもは、わたしたち大人よりも遥かに賢い。子どもは、精神の世から降りて来たばかりです。しかし、子どもの精神は、この地上においてまだ目覚めてはいない。教師の仕事とは、子どもの精神を目覚めさせること。それができないとしたら、それは、子どものせいではなく、教師の過失なのです。蛹から蝶が生まれるその絵姿が、人の死を描いており、蝶とは人のこころと精神の表れなのだと深く信じている教師は、精神科学からのその叡智とひとつになっているからこそ、子どもとひとつになることができます。

精神科学であるアントロポゾフィーを学び、メディテーションを続けて行って欲しい。しかし、まだイマジネーションの力、明るく観る力、透視力を得ていなかったとしても、学びを続けゆく中でこのようなこころの構えが織りなされているならば、教師は子どものこころに働きかけてゆくことができるのです。

だから、「子どもと向かい合うことによって、このわたしが学ぶのであり、このわたしが成長して行くことができるのだ」と考えることのできる教師こそが、いま、求められています。





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