
和歌山や滋賀、大阪、そして青森、仙台、神奈川の方々とここ数年来取り組んでゐることがあります。
それはルードルフ・シュタイナーから生まれた「密(ひめ)やかな学び」です。
「密(ひめ)やかな学び」は、「Geheimschulung」といふドイツ語を鈴木一博さんが翻訳されたものです。高橋巌さんは「神秘学」と訳されてゐたのではなかつたかな(いま手元にないので、不確かでごめんなさい)。
いずれのクラスも、皆さん、子育てと子どもへの教育をきつかけに集まられた方々です。
しかし、子どもを育てるとは、つまるところ、大人自身の自己教育に懸かつてゐること。
その自己教育は資格を取ることや、何かの能力をつけること以上に、つまるところ自分自身のこころの育みに尽きるといふこと。
そのことへと思ひ至られ、かうして、「密(ひめ)やかな学び」へと皆さん参じられてゐます。
仙台で行つてゐますシュタイナー教員養成においても、二年間で八回集まる講座の時間以外に、オンラインで毎週全員が集まり、この「密やかな学び」をこつこつと積み重ねてゐて、自分自身のこころへのこの密やかな働きかけこそが、教員養成の要(かなめ)であることを分かち合つてゐます。
また、この学びは、その名の通り、「密やかな」ものですので、繊細なこころのことに取り組み、メンバーが互いにこころを開き合つて、互いのこころと精神に目覚めゆく時間になつてゐます。.
ですので、どのクラスの雰囲気も本当に親しみある信頼の情に浸されてゐます。
アントロポゾフィーの学びと実践は、この親しみと信頼の雰囲気を社会へともたらしていくことを目指してゐます。
そのためには、仲間との信頼を感じられるクラスと、ひとりきりになる時間との往復の中で、わたしがわたしに向き合ふ、そんな「密やかな学び」が必要なのです。
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