
17歳の長女が、先月10月のまるまる一か月間、長野県の農場にお世話になつて、11月1日に大阪に帰つて来ました。
WWOOFといふ、有機農業を生業にされてゐる方々と、その農業を体験してみたい老若男女の人たちとを、お金を介在させることなく結びつけるシステムがあります(WWOOFへの登録に際しては年間あたりの登録費用がかかります)。そのシステムを通して、二つの農場にお世話になつてゐたのでした。
登録から連絡、何から何まですべて自分自身でし、バイトで貯めたお金ですべてやりくりして、彼女は旅立つて行き、そして帰つて来たのでした。
どちらの農場でも、娘にとつて、これから生きて行く上で、本当にかけがへのない貴重な時間を過ごさせてもらつたやうなのです。
夜行バスで朝、帰つて来たのですが、まるで、信州の爽やかな風と水が一気に我が家に流れ込んできたやうな彼女のありやうでした。
農業といふ土着の営みを通して、感じられるこころの健やかさと無私性。
そして、毎日毎晩のご家族の方々や各地からやつて来られてゐた多くのWWOOFERの方々との語らひを通して、人といふものの根源・愛に触れたやうな感覚を得たやうでした。
そのことを帰つて来てからの毎日の中で、彼女は語つてくれてやみません。その話を聴いてゐて、わたし自身もすがすがしい石清水が喉と胸を通り過ぎてゆくやうです。
その後、ふたつめのホストであるおぐらやま農場さんのおまかせセットを注文させていただき、それが届いた朝、早速、食させてもらひました。幾種類かのリンゴと和梨が届いたのですが、現地でみづからの手で収穫し、それを食させてもらつてゐた彼女は、そのお味を、超、超、激賞してゐたのでした。
一口、口に入れ、果実を噛むやいなや、何とも言へないみづみづしい甘みと高貴なと言つてもいいやうな香りが口蓋の中に一気に拡がるのです!
信州・安曇野でおぐらやま農場をされてゐる松村さんご家族。ご夫婦の発せられてゐるメッセージからも、お人柄の暖かさと明るさ、そしてこころざしの高さを読むことができます。WWOOFホストとしての経歴ももうすでに18年以上重ねてをられ、世界中から日本一多くのWWOOFERたちがやつて来られてゐるところです。それは、きつと、口コミで世界中にご家族の暖かさとすがすがしさが伝はつてゐるのでせう。
「おぐらやま農場」
ホームページ https://www.ogurayamashop.com/
facebook https://www.facebook.com/ogurayama
you tube channel https://www.youtube.com/.../UCQnxcEPPjCtSZ.../featured
混迷してゐる現代の日本の社会の中で、このやうな高くて深いこころざしと愛をもつて仕事をなされてゐる方々がをられることを知ることができたこと、これは、娘からもらつた最高の贈り物です。