わたしたちは、いま、本当に、目覚める必要があるのではないか、さう考へてゐます。
目覚めるといふことは、安楽なことでも、安易なことでもないですね。勤しみが要ります。
その勤しみのひとつに、アントロポゾフィーの学びと実行があります。
100年前からアントロポゾフィーは、ひとりひとりの人に、目覚めを促がすべく、その人のこころからの勤しみを呼び起こさうとしてゐます。
その営みは、今の多くの人が嫌ふところです。
睡眠薬のやうなことばが、逆に、好まれてゐます。
しかし、そのやうなこころの安楽椅子に座り続けてゐた時、誰が困るかと言へば、その人自身といふよりも、その人の、子や孫の世代なのです。
ある世代が眠りこけるやうな意識に覆はれると、次の世代や、次の次の世代が惨状を被るのです。
つまり、本当に考へるべきことを考へない時空間がある一定期間続くと、そこに、精神のブラックホールのやうなものが生まれ、その時空間に一気に悪がなだれ込み、何年か、もしくは何十年かして、その悪が現象化するのです。
そのことを世界の歴史が証してゐること、アントロポゾフィーからも学ぶことができます。
さて、眠りこけてゐるとは、どのやうな状態を指すのでせうか。一方、目覚めてゐるといふのは、どのやうな状態を指すのでせうか。
わたしたちは、そのことこそを、みづからで考へてみた方がいいやうに思ふのです。
秋の訪れ、それは、人の意識の目覚めを促がす季節の到来です。
いまが、そのときです。
秋のお祭り、ミカエルのお祭りにちなんで、アントロポゾフィーの精神の学の向きで、二回に亙つて語らせてもらつてゐます。
多くの方のこころに届くことを願ひます。わたしたちの子どもたちのためにです。
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