2022年06月04日

ざしき童子のはなし 宮沢賢治作









幼い子どもたちは、わたしたち大人が持つてゐる、鋭く目覚めた意識を本来的にはまだ持つことはできません。


健やかな子どもほど、ぼんやりとした、いはば、とりとめのない意識で生きてゐます。


しかし、そんな意識だからこそ、大人には感じられないものを感じたり、時には、見たりするのでせうか。


民俗学者の柳田國男が、こんなことを報告しています。


小学校にひとりの座敷わらしが現れ、子どもたちと一緒に遊び戯れたが、尋常一年生の小さい子どもらの他には見えず、「小さい子がそこにゐる」と言つても大人にも年上の子にも見えなかつた、と。


また、ずいぶん前の時、ある朝、わたしは早起きして、ひとりでゐましたら、当時、小学一年生の次女がやつてきて、なんと、彼女が先日視た神さまの話しをしてくれました。


家族みんなで家で仲良く話ししてゐるときに、次女がふと向かうを見ると、微笑みを浮かべ合掌をしながら、古い衣装を着た女性が光に包まれてこちらを見守ってくださつてゐたが、そのときは、あまりの神秘な感じに、そのことを家族には言へなかつた、と。


その話を聴いたわたしも不思議な気持ちに包まれ、「気のせい」で済ますことができませんでした。


そして、宮沢賢治は、大人になつても、そのやうな感受性と視力を持つてゐたやうです。


『ざしき童子のはなし』四つのお話しです。
 

言語造形による語りを聴いてみていただき、そのやうな、目には見えず手では触れられない方々のことに、思ひを向けてみませんか。










posted by koji at 15:35 | 大阪 ☀ | Comment(0) | 動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
■ 新着記事
滋賀シュタイナー ちいさいおうち園での語らい (04/27)
アントロポゾフィー 人であることの意識 (04/24)
三羽の揚羽蝶 (04/24)
ひとりひとりの歩幅 (04/23)
京都市伏見区醍醐勝口町でのことばの家 ことばづくり(言語造形)クラスのご案内 (04/23)
ことばが甦るとき 〜甦りの祭り(復活祭)の日にちなんで〜 (04/20)
こころのこよみ(第1週) 〜甦りの祭り(復活祭)の調べ〜 (04/20)
鏡像 (04/18)
4/20(日)復活祭からの「こころのこよみ」オンラインクラス (04/14)
学んだことは忘れていい (04/13)
■ カテゴリ
クリックすると一覧が表示されます。
ことばづくり(言語造形)(244)
アントロポゾフィー(182)
断想(575)
講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告(460)
こころのこよみ(魂の暦)(497)
動画(333)
農のいとなみ(1)
うたの學び(88)
神の社を訪ねて(37)
アントロポゾフィーハウス(92)
声の贈りもの(5)
読書ノート(71)
絵・彫刻・美術・映画・音楽・演劇・写真(41)
ことばと子どもの育ち(13)
「ことよさしの会」〜言語造形に取り組む仲間たち〜(11)
■ 最近のコメント
5/7(水)からのシュタイナー著「いかにして人が高い世を知るにいたるか」毎週水曜日夜オンラインクラスへのご案内 by 諏訪耕志 (04/11)
待ち望まれてゐることばの靈(ひ)〜「こころのこよみ」オンラインクラスのご案内〜 by 諏訪耕志 (04/03)
こころのこよみ(第1週) 〜甦りの祭り(復活祭)の調べ〜 by (04/09)
12/10(土・夜)12/11(日・朝)オンライン講座「星の銀貨」を通して〜人への無理解と憎しみについて〜 by アントロポゾフィーハウス (12/07)
穏やかで安らかなこころを持ち続けること、しかし、目覚めること by 諏訪耕志 (04/23)
■ 記事検索
 
RDF Site Summary
RSS 2.0