
今日は、ある企業の方々とのオンラインミーティングのひとときを持ちました。
このミーティングは、言語造形といふ芸術を土台にして、定期的にもたれてゐます。
オンサイトでしてゐた時から、この場をもたせてもらつて、もう二十年近くになりますが、ここには、みづからを開いて活き活きとことばを述べ合ひ、聴き合ふ、「自由」といふものが、ずつと、息づいてゐます。
時間の流れの中で、おのおのが、おのおのに、なりゆくのです。
その秘密はどこにあるのか。
それは、息づかひに導かれた「ゆつくり」さにあるのです。
「ゆつくり」。
ひとつひとつの息づかひ、ことばづかひ、立ち居ふるまひをゆつくりと意識的にしてみるのです。
その深さ、たわわさの中から、おのづと、伸び伸びとした、活き活きとした、こころのみづみづしさが泉のやうに湧き上がつて来ます。
そして、いつしか、乱れがちなこころの佇まひも鎮まつてゐます。
「ゆつくり」を、意識的に大事にするこの場では、なぜかおのづと、互ひが互ひを敬ふことができ、尊ぶことができるのです。
企業戦士であらざるを得ない皆さんも、ほつと一息つくやうな感覚で、わたしが<わたし>であることに安心することができる。
「ゆつくり」といふ、精神の浸透は、ひとりひとりが自分自身の<わたし>を大切にすることへと人を導きます。
そして、だからこそ、人と人との間にハーモニーを奏でることを促します。
<わたし>であることと、ハーモニー。
これが、人が自由になりゆくための礎(いしづえ)です。
今日も、そのやうなことを談り合ひ、感じ合ひました。
本当に、奇(くす)しく、ありがたいことです。