先日のアントロポゾフィーハウス青森三沢のクラスの後、とても美味しいおにぎり(佐藤初女さんの教へに沿つて作つて下さつたもの)と野菜の和え物をいただきました(Nさん、本当にありがたうございました😇)。
あまりに美味しくて、まるで若い人のやうに大きなおにぎりを三つもいただいてしまひました。
このこころの満ち足りた感じは何なのでせうね。
昨夜のオンラインクラス『いかにして人が高い世を知るにいたるか』でも、人の三つに分かれてゐるなりたちについて、少し、お話をさせてもらひました。
からだ、こころ、精神。この三つの節(ふし)からなりたつてゐる人。
真ん中にあるこころは、からだ、精神、両方から働きかけを受けつつ、毎日、新しく息づいてゐます。
そのこころの育みにとつて、精神からよき糧を得ることの大切さをアントロポゾフィーは縷々述べるのですが、一方のからだからよき糧を取り入れることも、とても大切なことですよね。
からだから取り入れる糧の内、からだにとつて、こころにとつて、さらには、精神にとつて、よき糧とは何か。
からだから取り入れるよき糧、それは光であり、熱であり、風であり、水であり、大地からのもの、つまり、からだに備はつてゐる感官からとりいれることのできるものですが、とりわけ、食べるものについて、少しづつ、考へていきたいと個人的に思つてゐます。
もちろん、そのことも、アントロポゾフィーにおいて端々で述べられてゐるのですが、日本に生きるわたしたちにとつて昔からの日本人ならではの食生活を見直すことが、実は、とても、とても、大切なことではないかと。
わたしたちが、毎日摂つてゐた、玄米、味噌、そして少しの魚と野菜。
その食材そのもの、そしてそれらを作り、採つて下さつた産業従事者の方々、さらにはお天道様に対する感謝の念ひ。つまり、食生活そのものが信仰生活だつた暮らし振りが、ごく当たり前の日常でした。
さういつた食生活が、おそらく、何千年も営まれてきたわたしたちに、戦後、一気に、さうではない食生活が始まりました。そして、日本ならではの信仰生活も真つ向から否定されました。
そのときから77年が経ち、わたしたち日本人の癌の発症は約3.6倍に、糖尿病の発症は約50倍になりました(誠敬会クリニック銀座 吉野敏明氏)。
癌は、いま、日本人のふたりにひとりが発症し(国立がん研究センター2018年統計)、4人にひとりが癌で亡くなつてゐます(同2020年統計)。
からだから取り入れられる食べ物によつて、そのやうな状態が必然的に引き起こされ、多くも多くの日本人が、毎日何種類もの薬を一生涯飲まされ続け、病院通ひをせざるをえないのではないか。
さう思はざるをえないのです。
からだの健やかさ。
それは、人生を支へる大きな拠り所でもありますし、こころと精神の育みに、大いに助けとなつてくれる基であり、ものの考へ方、感じ方、生き方に深い働きかけをなすものですので、その健やかさを支へる食生活を見直し、立て直していきたい。
そして、日本の第一次産業を再び甦らせていく運動のほんの一端でも荷うふことはできないだらうか。
からだと精神から、よき糧を取り入れて行くことで、真ん中のこころは健やかになる。
令和の日本人が健やかになりゆくことを支へて行く仕事をしたいと念ひます。
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