アントロポゾフィーハウスの趣旨。それは、芸術実践とメディテーションといふ、ふたつの学びの柱を打ち樹ててゆくことによつて、頭だけでものごとを考へがちになることから、心臓・胸においてこそ活き活きとものごとを考へ始める生き方へと、自分自身を自分自身で導いて行かうとすることであり、その自己教育から、今までにない仕事をアントロポゾフィーの精神から生み出して行かうとすることです。いはば、精神からの職能の道です。
心臓・胸において考へる。それは、考へに血が通ふことです。考へと情と意欲がハーモニーを奏でることです。考への趣きがますます精神を湛えることです。さうして、その血の通ふ考へが、心臓・胸から手足の先にまでわたつて全身に脈打ちます。ふるまひのひとつひとつに、精神の響きが湛えられます。そのためには、先に書きました、ふたつの柱を意識的に学びの真ん中に打ち樹てていく必要があるのです。
このたび、アントロポゾフィーハウスによる芸術実践の第一回目としまして、仙台と三沢にて中島敦作『山月記』の言語造形・オイリュトミー公演をいたしました。
この芸術実践は、オイリュトミーをする越中さんと、言語造形をするわたくし諏訪との、約9か月にわたる実際の汗を流しながらの稽古の継続からはもちろんのこと、メディテーションを中心にしたアントロポゾフィーそのものの研究から生まれ出たものでした。
かうして録画したものをみづから観てみますと、自分自身の未熟さと共に、ある確かさをも感じます。
それは、このアントロポゾフィーのふたつの学びの柱を行き来する中で、高い叡智・精神からの導きに加へて、心臓・胸の領域から血の迸るやうな情の噴出を造形していくことへの希望と信頼です。それは、本当にふたつの学びの柱からこそ、産まれて来るものなのです。
【動画・ポッドキャスト・語り聴かせ教室 (キッズレーダーより)の最新記事】
- 今日を生きる心意気
- 日本昔話「舞ひ戻つた蝶」
- 一冊の本はひとりの生きた人格であること ..
- 9歳頃から14歳頃までの文法をもっての国..
- 小学校低学年における国語教育 シュタイナ..
- 昔話『紀州岩出の 子守り神の話』
- 読書のすすめ
- 開校式のシュタイナーの挨拶(1919.9..
- 骨を想ふ
- 難しさを恐れず なすべきことをなしていく..
- 日本の混乱 そしてキリストのこころざし
- やまとことばの徳用(さきはひ)
- 生死を超えて繋がり続ける
- 偏差値のために学ぶんじゃない
- ちょっと待つて その判断!
- 死を念ふこととメディテーション
- 自分を二人称で呼んでみる
- 仕事現場のためのバイブル「いかにして人が..
- 2023年1月からの新オンラインクラスの..
- 読書の秋