今日は、アントロポゾフィーハウス和歌山での第一回目のクラス。
午前に言語造形、午後にアントロポゾフィーから「人といふもの」といふ講義。
初めて言語造形にご参加下さつた方のことばで印象的だつたのは、終はつた時に、「安心感を持てたからこそ、思ひ切つて声を出して表現することができました」といふものでした。
大の大人であつても、初めての方が、見知らぬ人の前で物語や詩を声に出して表現することは相当の勇気を必要とします。「上手くできずに駄目出しをもらふのではないか、恥をかくのではないか」といふやうな恐れもあります。
しかし、その初めての方が、今日、回数を重ねて練習するほどに、伸び伸びとご自身の持つてゐるものを惜しげなく表現されてゐるやうに感じられるほど、安心して、思ひ切つて声を出してをられました。
この「安心」といふ情をもつて学び手が学ぶことができるためには、学びの場に何が必要なのでせうか。
それは、その学びの場に、精神が宿ることだと、わたしは思ひます。高い法則に沿つて時間が営まれてゐることによつてだと端的に思ひます。
教へ手であるわたしの意向ですとか、恣意ですとか、そのやうなわたしの「気」から発するものではなく、「言語の法則」「言語のジニアス」「ことばの精神」に沿はうと努めるところに降りて来る靈(ひ)が、その場にゐる人に安心・安らかさをもたらすのです。
人と人との間の交友関係や信愛関係によつても安心を感じえますが、本当のところ、人は、だういふ時に安心を感じうるのでせうか。
それは、「ひとりの人」として精神と繋がつてゐると実感する時です。いま、わたしは、靈(ひ)と交はり、精神に守られてゐると実感する時です。
そして、そもそも、わたしといふ人は、からだだけの存在ではなく、精神・靈そのものだつたのだと念ふことこそが、本当の安心・こころの安らかさをみづからにもたらすことができるのです。
こんなにも不安に満ちて大人たちが右往左往してゐる今の社会の中で、いや、だからこそ、子どもたちの学び場に、いま、まづもつて何が必要であるか、と、いま、わたしは、考へざるをえません。
わたしは、何よりも、「ここに、僕が、わたしが、生きて、あること」の「安心」こそをまづもつて子どもたちにもたらすことだと感じます。
人は、まづ、「安心」「こころの安らかさ」を基にできるからこそ、何かを学ぶことができるのです。ましてや、子どもたちこそ、さうであるはずです。
今の社会の中で、子どもたちのこころに、その「安心」を贈るためには、まづもつて、傍にゐる大人こそが、精神とならねばなりません。
精神となつて、子どもに「安心」を贈らねばなりません。
さあ、わたしたち自身が精神の存在となるには、何を、だう、考へ、感じ、生きればいいのでせうか。
そのことを共に考へてゆき、さらには、何かを始めて行く。それが、午後のアントロポゾフィーの時間のテーマであります。
和歌山近郊にお住まひの方で、ご関心のおありになる方は、ぜひ、体験にいらして下さい。
日時:
毎月第二月曜日
(8月は第四月曜日の22日、10月は第三月曜日の17日)
午前10時から午後2時まで
(間に昼食の時間一時間を取りますので、お弁当などをお持ちください)
場所:
和歌山県岩出市
(お申込みいただいた方に詳細をお伝えいたします)
参加費:
5回連続ご参加 20000円
体験ご参加 5000円/一回
その他、講師の交通費(往復1540円)を参加者全員で頭割りしてご負担していただきます。
問い合わせ・お申し込み:
アントロポゾフィーハウス(諏訪)
https://kotobanoie.net/access/
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