2022年02月02日

ことばの教育を礎にするアントロポゾフィーからの教員養成






日本の昔からの子どもへの教育方法。それは、「一人前にものが言へるやうにする」といふものでした。そして、それは、「しつかりと人のことばを聴き取ることができる」ことと表裏一体のものでした。


つまり、聴きつつ話す、話しつつ聴く、その力を養ふべく、国語教育が学校などが無い時代に盛んに行はれてゐたのです。


わたしたちアントロポゾフィーハウスは、そのやうな我が国ならではの文化・歴史におけることばへの深い見識、ことばへの芸術的な取り組みを礎にもつ教育を、これからの時代に新しく芽吹かせて行くことを、ひとつの使命としてゐます。


シュタイナー教育の我が国における独自の展開として、この国語教育をすべての教育の根底に据ゑるものを、わたしたちアントロポゾフィーハウスも準備して行きたいのです。


日本のことば、国語への確かな見識を基にもつ教員養成の必要性から、その実現を考へ続けてゐます。


その養成は、いまだ日本にはほんの少ししかないシュタイナー学校での実践を超えて、あらゆる教育現場における根底的なこととして必要不可欠なものを提示していく使命を持つものです。


「国語への確かな見識」と書きましたが、それは、子どもへの教育をする人が、言語学や言語哲学を学ぶといふことでは全くありません。


そのやうな机上のスタディーではなく、長い時に亘つて読み継がれてゐる、ことばの芸術作品を身のまるごとをもつてみづから奏でてみることによつて生きられる「ことばの感官」の育みから授かる見識のことを言つてゐます。


つまり、言語造形とオイリュトミーから稼がれる精神の手応へこそが、教員養成に必要なのです。


だつて、すべての授業は、教師のことばで組み立てられ、織りなされてゐるのですから。


ことばを生きる。そこにアントロポゾフィーの営みの中心があるやうに思ひますし、ひとりの人が、みづから、さう生きたい、さう生きるのだ、とこころを決めることは、世に少なくない働きをもたらすやうに思ひます。





posted by koji at 17:11 | 大阪 ☀ | Comment(0) | アントロポゾフィー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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