この冬の闇に
みづからの力の啓けがある。
こころからの強い求めがある。
暗闇にそれをもたらし、
そして予感する。
胸の熱を通して、感官が啓くことを。
Es ist in diesem Winterdunkel
Die Offenbarung eigner Kraft
Der Seele starker Trieb,
In Finsternisse sie zu lenken
Und ahnend vorzufühlen
Durch Herzenswärme Sinnesoffenbarung.
毎週、この『こころのこよみ』を生きていく。
毎週、ここに記されてある詩句を繰り返しこころの内で味はつてみる。
さうすると、ここに記されてあることばが、それを読んでゐる自分自身のこころの歩みと、重なつてくるのを感じることができる。
そのこころに重なつてきてゐる力は、さらに、心(物質の心臓とエーテルの心臓の重なりあひ)の働きを活性化させるやうに感じる。
そのことは、この詩句に沈潜するほどに感じられる、体内に流れ出す熱い血をもつて確かめられる。
物質の心臓は、物質のからだの中心を司る器官で、血液の巡りによつて活き活きと脈打つてゐる。
エーテルの心臓は、人のエーテルのからだの中心を司る器官だが、愛の巡りによつて活き活きと脈打ち、そこから光が発し、熱が生まれる。
内に抱く考へが、愛を基にしたものならば、その考へはエーテルの心臓を活き活きと脈打たせる。
さうでないならば、その考へはその心臓を締め付ける。
活き活きと脈打つエーテルの心臓が光と熱をもつて、物質の心臓の働きを促し、熱い血の巡りを促す。それをここでは、「胸の熱」としてゐる。その胸の熱が、さらに、こころの働きといふ働きを促しだす。
その活性化されだしたこころの働きを通して、ものが、よく見えだし、よく聴こえはじめる。
そして、肉の目や耳には映らない、こころのもの、他者の情や他者の考へがリアリティーをもつて、心臓で感じられるやうになつてくる。
きつと、その道は、人の情や考へだけでなく、ものといふもの、例へば、植物や動物の情、地水風火の情や考へなどをも感じられることへと繋がつていくだらう。
頭の脳で理解するのではなく、心臓で感じ、心臓で考へることができるやうになつていくだらう。
外なる感官だけでなく、そのやうな内なる感官もが啓きはじめ、働きはじめる。
「そして予感する
胸の熱を通して、感官が啓くことを」
そして、その啓かれるものを受けとることを通して、わたしたちはどう振舞ふことができるだらうか。
「 みづからの力の啓け
こころからの強い求め
それを冬の暗闇にもたらす」
その振る舞ひは、きつと、その人その人の仕事として、世の冬の暗闇に光をもたらすものになるはずだ。
お金を稼ぐことが仕事をすることだといふ意味ではなく、その人がこころをこめてすることこそが仕事であるとするならば、わたしたちは、いま、いる場所で、
その仕事を始めることができる。
この冬の闇にみづからの力の啓けがある。
こころからの強い求めがある。
暗闇にそれをもたらし、
そして予感する。
胸の熱を通して、感官が啓くことを。
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