2021年09月20日

終はりは始まりの時




「やさしい世界の終はり方(石村利勝作)」
「交響曲/新世界より第2章(A.ドヴォルザーク作曲)」


先日、上梓された石村利勝氏の『詩集ソナタ/ソナチネ』から受ける深い感銘について駄文を弄させてもらひましたが、それに引き続き、昨年の冬、青森にて上演しました言語造形公演から石村氏の詩「やさしい世界の終はり方」の朗唱をお聴きいただきたく、ここに再度挙げさせていただきます。


熱心に聴いて下さるお客様の前でなされたこの作品。


ピアノの山本恵美さんのとても印象深いドヴォルザークと共に、わたし自身、この作品の優しげな表情の奥底にある何かに少しだけ触れ得た、記憶に残るひとときでした。


ひとつの音韻から拡がる詩の精神。それは、この作品を詠ふたびごとに、新しく生まれ変はります。


この詩の作者・石村利勝氏は、この詩に以下のやうに註記してをられてゐます。https://note.com/ishimuratoshi58/n/n3838036004b6


「これは、前に世界が終はつた時のことを思ひ出してかいたものです。なつかしい思ひ出です。」


昨年の2020年、令和2年といふ年は、わたしにとつては、この「やさしい世界の終はり方」といふ詩と共に生きた一年でありました。


今年2021年もあと三か月ちょつとになりますが、一層激しい外の世の動きの中にあつて、この詩の精神が世に語らうとしてゐる何かを聴き取らうとしてゐる毎日です。


ある世の終はりをすでに遥かな過去に体験した精神が、いま、また、予言的な響きを奏でてゐます。


青森公演の最後の演目がこの作品だつたのですが、終演後、中学生の女の子がわたしに駆け寄つて来て、この詩に対する深い感動を様々なことばでわたしに伝へてくれました。


わたしは、かけがへのない、ひとりの聴き手に恵まれたことの仕合はせにこころから感謝しました。


さう、何かが終はればこそ、何かが新しく始まる。


そのことを信じて、毎日を生きてゐます。




            「ことばの家 諏訪」 諏訪耕志 




※同日の公演から『小さな村で見た(石村利勝作)』

「無言歌 no,3(G.フォーレ作曲)」
「小さな村で見た(石村利勝作)」
「Old Plantation(W.ギロック作曲)」



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