2021年08月07日

こころのこよみ(第18週) 〜新しい衣(ころも)〜



藤島武二『蝶』



わたしはこころを拡げることができるのか、

受けとつた世のきざしのことばを

己れと結びつけつつ。

わたしは予感する、きつと力を見いだすことを。

こころをふさはしくかたちづくり、

精神の衣へと織りなすべく。   



Kann ich die Seele weiten,               
Das sie sich selbst verbindet
Empfangnem Welten-Keimesworte ?           
Ich ahne, das ich Kraft mus finden,           
Die Seele wurdig zu gestalten,              
Zum Geisteskleide sich zu bilden. 



前の週の『こよみ』において、世のことばが語りかけてきた。


「わたしの世のひろがりをもつて、あなたの精神の深みを満たしなさい」と。


夏の世の大いなるひろがり、それに沿ふことができたなら、それは沿ふ人に、これまでの生き方、考へ方、感じ方を越えるやうなものを、「贈りもの」として与へてくれる。


これを読んでくださつてゐる皆さんには、どのやうな「夏の贈りもの」が贈られただらうか。


その「贈り物」を受け入れる器。
 

その器が「こころ」であるならば、わたしはみづからにあらためてかう問ふことになる。


「わたしはこころを拡げることができるのか」
 

その問ひに応へていくことが、この夏から秋へと移つていく時期のテーマだと感じる。


新しい考へ、価値観、ライフスタイル、人生観、世界観、それらを「己れと結びつけつつ」。
 

しかし、その結びつけは、きつと、外からの結びつけではなく、内からおのづと生じてくる結びつきになる。


夏といふ季節を精神的に生きる。


それは、こころをこれまでよりも拡げることである。


「わたしは予感する、きつと力を見いだすことを」


それは、こころを拡げ、こころを、精神から織られた衣(ころも)にする力。


衣(ころも)とは、万葉の昔から、「恋衣」「旅衣」「染衣」のやうに、深く、活き活きと、しみじみと息づく、生活感情を言ふことばとしてよく使はれてゐたさうだ。(白川静『字訓』より)


「ころも」も「こころ」も、三つの o の母音から成り立つ、やまとことば。


それは、本来、精神から凝(こご)るものとしての動き、わたしたちのからだにまとふものとしての動きを、音韻として顕はにしてはゐないだらうか。


こころといふものが、精神といふわたしのわたしたるところ・わたしの芯〈わたしはある〉から、織りなされる。


そして、からだにまとふ衣となつて、身のこなし、振る舞ひのひとつひとつに顕はれる。しなやかに、柔らかく、輝きつつ。


そんな内なる力をきつと見いだす。


この夏から秋の初めにかけてのテーマであり、学び続けてゐる人への励ましでもあるだらう。



わたしはこころを拡げることができるのか、
受けとつた世のきざしのことばを
己れと結びつけつつ。
わたしは予感する、きつと力を見いだすことを。
こころをふさはしくかたちづくり、
精神の衣へと織りなすべく。






posted by koji at 23:31 | 大阪 ☀ | Comment(0) | こころのこよみ(魂の暦) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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