2021年04月02日

この本の翻訳について〜オンライン読書会「 いかにして人が高い世を知るにいたるか 」〜


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まづ、はじめのページに、翻訳者である鈴木一博さんによる「訳について」といふ但し書きのやうな文章があります。


その中で、精神の学びにおいて、わたしが最もたいせつに思へることを、ここで挙げさせてもらひたいのです。


それは、日本語に翻訳する時、ことばを四角四面な抽象的で静的なものとせずに、シュタイナーが書き記した原文・原語に倣つて、できうる限り、読む人の意欲を働かせるやうな具象的で動きを持つことばを用ゐるといふことです。


それは、動詞を意識して用ゐるといふことでもあります。


その動詞の動きは、人が日々の暮らしの中で当たり前にしてゐる動きです。


たとへば、「人間の進化の過程」といふ言ひ方をせず、「人の育みを巡るもの」とします。「進化」ではなく「育み」です。「過程」ではなく「巡るもの」です。


この本の題名にしても、「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」とせずに、『いかにして人が高い世を知るにいたるか』とします。「認識」ではなく「知る」です。「獲得する」ではなく「いたる」です。


この言ひ方自体は、逐語訳なので、少し奇異な感じをもたらすのですが、使はれてゐることば、「育む」や「知る」などは、親しみのある、馴染みのあるもので、わたしたち日本人が、当たり前に使つてゐる日本語です。


つまり、ことばのひとことひとことの動きをからだで感覚しながら、読み進めて行く、このことがアントロポゾフィーにおける読書の眼目なのです。


本を読むときに、この「動き」を書き手と共にするのです。


それは、考へる働きに、欲する(意欲の)働きを注ぎ込んで行くといふことです。


とくにこの本においては、その考へると欲するの重なり合ひによつて、情(感じる)が立ち上がつて来ます。


だから、声に出して訓むことから、情と意欲の育み、こころの育みにおける次なる一歩が促されるのですね。


毎週毎週、日曜日の夜、一時間、共に、声に出してこの本を訓み続け、読み重ねて行きませんか。



講師: 諏訪耕志 https://kotobanoie.net/profile/#suwakoji



『 復活祭の日(4/4)から始める
  毎週日曜日の夜のオンライン読書会
「 いかにして人が高い世を知るにいたるか 」のお知らせ 』



●日程
2021年4月4日から毎週日曜日 午後8時〜9時
(5月2日、8月29日はお休み)



●参加費
体験参加費 初回のみ 2000円
月4回連続ご参加 5000円


御自身のご都合でのお休みは、キャンセル無効とさせていただき、録画したものを見ていただくことができます。なにとぞ、どうぞよろしくお願ひいたします。    



●お振り込み  

// ゆうちょ銀行から //
記号 10260 番号 28889041 スワ チハル  

// 他銀行から // 店名 〇ニ八(ゼロニハチ) 普通 2888904    


お申し込み、お振り込みいただいた方に、オンライン会議室ZoomのURLをお伝へします。    



鈴木一博氏訳の『いかにして人が高い世を知るにいたるか』を用います。本をお求めの際は、こちらでどうぞ。
「精巧堂出版」https://www.seikodo-store.com/show1.php?show=b0007  


●お申し込み・お問ひ合はせ   「ことばの家 諏訪」 https://kotobanoie.net/access/


どうぞよろしくお願ひします。

  


posted by koji at 13:19 | 大阪 ☁ | Comment(0) | 講座・公演・祝祭の情報ならびにご報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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