2021年04月01日

ひとり立ちの歌 〜岬 山村暮鳥〜





岬 山村暮鳥

岬の光り
岬のしたにむらがる魚ら
岬にみち尽き
そら澄み
岬に立てる一本の指。

   (聖三稜玻璃 1915年 人魚詩社)



この詩に向き合ふとき、我がこころは洗ひ浄められます。


こころに、ひとり立ちすることを促してくれます。


考へや思ひをよそよそしく独り歩きさせず、他の誰でもない、この〈わたし〉が考へるのだ、といふ明るく澄んだ意識をもたらしてくれます。


国語の美は、人をひとりの人にするべく、その人に働きかけます。


ことばとは、そもそも、人に美の感覚を伝へるべく、この世に生まれました。


美とは、人に精神の世を想ひ起こさせてくれるものです。


ことばの美を湛えた詩は、人を精神へと導かうとするのです。


詩人は、そのことを憶えてゐるのでせう。




この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。