2021年02月16日

文字を手書きで書く時のこころもち




毎日、日記といふか、読書ノートといふか、そのやうなものをノートに手書きで書き続けてゐます。


もう三十年以上だと思ひます。


書くときに意識してゐることがあつて、それは、何もまだ書き記されてゐない頁に文字を書き記さうとする時、部屋の空間のありやうを感じ取ることです。


その場の広さ、高さ、気温の寒暖、湿度、その空気のありやう、さういふものを感じながら、右手にペンをとつて、文字を書き連ねて行くのです。


ペン先と紙のページとが擦り合はされ、心地よい滑らかさでペンは紙の上を運ばれて行きます。


そして、その運びが、上から下へと、縦の方向になされる書法は、きつと、アジア地域、とりわけ、東アジアに特有のものではないでせうか。


上から下へと書き下ろして行き、また、上へと戻つて、下へと向かふ。


その運動は、まるで、天と地の間の往復のやうです。


ことばを話す、言語造形の練習の時に、天と地の間を行き来するかのごとく、息遣ひの練習を歩きながらするのですが、かうして毎日ノートに縦書きで文字を書く時にも、天と地を行き来する運動を引き継いでゐるやうに感じながら、書いてゐます。


部屋の中において、その部屋の空間の様々なものを感覚しながら、深い息遣ひと共に、文字を上から下へ書き下ろして行く。


これは、直立して存在してゐる人の精神の理法として矛盾のない、息遣ひの運動、命の脈動と機を一にするものなので、きつと、言語造形と同じく、文字の縦書きは人を健やかにするのではないかなと思つてゐます。


書を嗜む人などは、このことを深くリアルに感じてゐるのではないでせうか・・・。






posted by koji at 21:38 | 大阪 ☀ | Comment(0) | 断想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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