2020年12月24日

キリスト生誕劇を語るシュタイナー



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キリスト生誕劇について、シュタイナーはある講演で語つてゐます。
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このイエス・キリストがお生まれになつた聖き夜の劇は、村の誰それの家に手書きで残されて、それはそれは神聖なものとして保たれてゐました。

かつてそれを演じるには、十月に入り、やおらその年の上演のことがこころにかかり、演じ手の若衆男女が選ばれ、選ばれた若衆は当日までの備へのあいだ酒を断ち、日曜日に喧嘩をしないとか、様々な慎みごとをして、彼ら言ふところの『聖らかな暮らし』を送ります。

聖き夜の節、聖き劇を演じるには、それなり聖きこころでと、さういふ意識を人々は抱いてゐました。世俗のしきたり、浮き世の楽しみで臨んだのではありません。演じるのは、ふだん鋤よ鎌よで働く人たちですから、それは素朴なものでしたが、始まりから終わりまでを、ずつと深く厳かさが領しました」
(「聖き夜との考へとわたしなる秘密」より)

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この劇は、18世紀の半ば、シュレーアーといふ文学者であり民俗学者でもあつた人によつて、西ハンガリー地方のある村で採録されたものです。その劇を20世紀に入つて精神科学者であるシュタイナーが再び見いだし、それがやがて世界中のシュタイナー学校において、クリスマスの時期に先生たちから子どもたちへの贈り物として、毎年演じられるやうになりました。


人よ 思ひ起こせ  人にして神々しいところを
天の高みより 降りてこられた をさな子


そのやうな念ひを抱く素朴な誠の心意気。この劇は、ただひたすらに、そこから発してゐます。


この「キリスト生誕劇」を三年前、二年前、いずれもクリスマスのこの時期に大阪で上演しました。


光の降誕をこころよりお祝ひするべく、陰翳深く、芸術的に深く彫り込まれたものを子どもたちに、との希ひを持つて創りました。


来たる年、またどこかでこの劇を創らせていただきます。


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posted by koji at 08:12 | 大阪 ☁ | Comment(0) | 言語造形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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