
欲する力・意欲の働きがむき出しの0歳から7歳。
その欲する力の上に、感じる力・情の衣をまとひ始めるのが7歳から14歳。
そしてその欲する力、感じる力から、だんだんとひとりで考へる力が育つてくるのが14歳から21歳。
それら三つの力はどれも、その人のその人たるところ、「わたし」から生まれてこようとしてゐるものですが、年齢によつてその表れ方が異なつてゐて、欲する力として、感じる力として、考へる力として、順番に現れてきます。
それらおのづと生まれてくる力の順序を間違へずに、その順序どほりに育んでいくことが、人の育ちにとつてとても大事な意味を持ちます。
小学生に、「自分で考へなさい」と言つてしまふこと、ありませんか。
人といふものをよく見てとつてみると、小学校に通つてゐる時期には、子どもの内側からのむき出しの欲する力が変容し始め、おのづと、感じる力といふ衣をまとひ始めてゐる、しかし、自分ひとりで考へる力は、まだ生まれてきてゐない。
「自分で考へなさい」「自分で判断しなさい」といふ指導は、その時期の子どもには早すぎるのです。
小学生に対して、自分自身で考へさせ、判断させることをあまりにも強いてしまふと、こころの働きを早産させてしまひ、後になつて、大人になつても相応しく考へる力、判断する力がなく、また、こころに茨のやうなアンチパシーが生い茂り、生きていく上でにがい思ひをすることになりかねません。
「シュタイナー教育では、かう考へる」といふのではなく、人をあるがまま観てとる練習をしていけば、そのやうな順序を間違へない判斷がだんだんとなされるやうになつてきます。
人をあるがままに観てとる練習。その練習は、きつと、生涯、続きます。
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