一昨日、新幹線で青森の八戸から秋田に向かふ途中で、勘違ひして、いわて沼宮内駅で一時間半過ごさねばならぬ羽目になつたのでした。
そこで駅を降りて北上川の上流に沿つてずつと歩いていきました。そこは、日高見国(ひだかみのくに)と呼ばれた土地だと看板にあります。わたしがこの春演じた「をとめとつるぎ」といふ戯曲にも日本武尊がこの日高見国まで征旅に赴いたことを扱つたものですから、その奇遇に様々なことを想ひました。
ずつと北上川沿ひに歩いて行くと、愛宕神社の前に出たので、山道を登つて参拝しました。
冬の最中にも関はらず、汗を流しながら山頂まで登り、愛宕神社の前に額づきました。そこは、迦具土神(かぐつちのかみ)がお祀りされてゐるのでした。
昇りくる朝日に照らされながら、岩手の風景を山頂から見下ろし、冠雪した岩手山を遥か西に見渡してゐますと、迦具土神といふ火の神(母・イザナミの神を死に追ひやつてしまつた神)が自分をここまで招いたのだ、といふ不思議な感覚がやつてきました。
そして、日本武尊も、きつと、ここに立つただらう。そんな気がしたのでした。
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