窓の外は、お天気だけれども風が強く雪が積もつてゐます。三沢基地に離着陸する戦闘機の飛翔音がします。
青森の三沢市「三沢のみんなのお家」中川塾に住み込ませてもらひ、言語造形とオイリュトミーの稽古、生徒さんたちへのレッスンと講義、そして勉強に明け暮れてゐます。夜は語らひと笑ひと酒ですが((^^ゞ)・・・。
いま、人々を不安と疑心暗鬼の泥沼へといざなはうとしてゐる世界中のウイルス「騒ぎ」。大きな大きな政治的混乱。
そんな中、みんな疲れてゐます。
固くなつてしまつてゐる頭、冷たくなつてしまつてゐる胸、萎えてしまつてゐる手足。人は何かに縛られ、臆病に、幽霊のやうにあつちへ行つたり、こつちへ行つたりしてゐるやうです。
その疲れは、精神の世と繋がつてゐないことから来る疲れです。
わたしたちが、ここでしてゐる仕事は、ことばとオイリュトミーといふ動きの芸術をもつて、人と精神をしつかりと繋ぎ、精神からその人その人の生命を甦らせようとするものです。
精神的な生命は、憎しみや恐れや疑ひを燃やし尽くし、人のこころを再び星の世へと届けます。
ことば。
それは、そもそも、炎でした。精神の炎でした。邪悪なものを燃やし尽くし、人に目覚めを促す意欲的な創りなす力でした。
脈打つ血を通り、心臓を暖め、考へる力を活き活きと甦らせる。それが、ことばの働きなのです。
地の上を時に勇敢に、時に軽やかに歩み、腕と手を自由の領域へと羽ばたかせる、それが、ことばとオイリュトミーが精神から人へともたらすものです。
人々の疲れを根本的に癒し、ひとりひとりの人をその人の足で立たせようとする、ことばの創造力。
いま、その力が人には必要です。