子どもがこの世に生まれて来て、
初めて地上で触れる芸術。
それが、
お母さんの声、
お母さんのことばですよね。
声といふ芸術は、
母なる生命の源から流れ來る、
命の川の流れにも似た、
人生の始まりを支えるものです。
それゆゑ、
人生の終はりにおいても、
その源へ帰るといふ情から、
戦争などで死んでゆく若者などは、
「おかあさあん!」と絶叫するのかもしれません。
いのちの流れ、
それはエーテルの流れです。
息遣ひに裏打ちされた声とことばは、
エーテルの流れに沿つて、
人から人へと働きかけ、
空間を満たさうとします。
親からことばをかけてもらふことが、
幼い子どもにとつて、
どれほど欠かせないことか。
子どもに食べ物さへ与へれば、
からだは大きくさせて行くことができるかもしれません。
しかし、その子にことばがかけられなければ、
その子は、生命力を育むことができないのです。
生命力。
生きて行くための力。
根源の力。
母なるいのちの源からの力。
それは、子どもの傍にゐる、
大人からのことば遣ひ、息遣ひによつて、
子どもに与へられるのです。
言語造形は、
そのことをリアルに感覚するための絶好の芸術です。
幼い子どもたちへのことば。
いま、始まつたばかりの四日間連続講座で、
身をもつて学んでゐます。
※絵は、安田育代氏
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