
昔の人は、
四季の移りゆきに沿つた暮らしを
無意識の内にも営んでゐた。
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地球の大きな呼吸に合はせるかのやうに、
季節を生きてゐた。
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春から夏にかけて、
こころを外の世に向かつて解き放ち、
秋から冬にかけては、
自分自身に向き合つてゐた。
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現代に生きるわたしたちは、
季節に関はりなく、一年を通して、
快適に暮らすことができるやうになり、
昔とは比べやうもないほどの快適さ、
便利さを享受してゐる。
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しかし、その代償として、
昔の人が営んでゐたやうな、
自然に沿ふ生き方を失つてしまひ、
大いなる世の移り行きと、
みづからのこころの移り行きとの間に、
ハーモニーを見いだせなくなつてしまつた。
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自然と人とがバラバラになつてしまつた。
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人のこころは、安らかでなくなつてしまつた。
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恐れ、不安、不信、
穏やかならざるものに苛まれがちになつてしまつた。
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わたしたちは、いま一度、
自然とのハーモニーを取り戻せるだらうか。
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春から夏にかけて、
よおくものを見るのだ。
よおく耳を澄ますのだ。
よおく動いて、働いて、汗を流すのだ。
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意識的に感官(目や耳など)をより活き活きと働かせて、
覚えといふ覚えに沿ふこと。
意識的に外の世とひとつにならうとすること。
意識的に外の光とひとつにならうとすること。
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秋から冬にかけては、
ひとりきりになる。
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意欲的にひとりで考へることで、
意識的に孤独の内側へと入つていく。
意識的に内の光とひとつにならうとすること。
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四季の巡りとして現れる地球の大きな呼吸プロセス。
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自分自身のこころにおける精神の呼吸。
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光を呼吸する。
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地球と自分とのハーモニー。
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その練習の重なりが、
シュタイナーがいふ「年といふもののいのち」を
親しく感じることへと繋がつていく・・・。
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そして、そのハーモニーがなりたつていくほどに、
こころは甦る!
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そのハーモニーは、
一週一週の『こころのこよみ』と共に深められていく。
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その深める作業を、
わたしはメディテーションと呼んでゐる。
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(つづく)
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