
人をこころから愛することができるのは、
その人を「想ふ」からであり、
その想ひは、「考へる」ことにより初めて得られる。
さう、『自由の哲学』第一章にあります。
昨日は、
「見初める」ことから、
誰かを、何かを、愛する道筋を述べました。
今日は、
「考へる」ことから、
誰かを、何かを、愛する道筋です。
初対面の時は、
さほど印象付けられない相手であつても、
何度も会ひ、何度も語りあふうちに、
その人のことばや振る舞ひから、
だんだんとその人についての「想ひ」を抱くやうになる。
「想ひ」とは、
その字のごとく、
ある相が心の上の描かれてゐるありやうです。
その人のことをこころに想ひ描くには、
その人のことを考へなければなりません。
考へるからこそ、想ひが抱かれます。
そして、その想ひから、
やがて、その人を愛する道が始まります。
それは、メディテーションの道です。
精神の世から生まれてゐるある高貴な考へを、
こころの中で想ひとしてしつかりと抱くのです。
すると、その考へが力を持ち始めます。
その考へが、その人のまるごとに浸みこんで来ます。
こころとからだ、まるごとが、
その考への精神から方向づけられて来ます。
メディテーションとは、
精神を敬ひ、尊び、愛しつつ、
精神とひとつになりゆくこころの道なのです。
昨日述べた、
芸術実践といふ「見初める」ことの練習、
そして、今日述べてゐる、
メディテーションといふ「考へる」ことの練習、
このふたつを意識的に修めて行くこと。
これが、人がひとりの人になりゆく道、
自由への道、
アントロポゾフィーの要でもあります。
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