
カスパー・ダーヴィット・フリードリッヒ『復活祭の朝』
今日は、北海道を除いて全国的に雨。
大阪も、朝から、雨と風です。
間違ひなく、この雨と風は、
この世を洗ひ浄めてゐる、
さう感じます。
この世の人のこころを癒し、慰める、
精神からの雨風です。
わたしたち人類は、いま、
静かに、慎ましく、
こころとからだを我が家に鎮めてゐます。
宇宙の、世の精神が、
人のこころに、
静かに染み渡らうとして下さつてゐる。
これまで、どうしても、どうやつても、
止めることのできなかつた、
経済成長への無限の欲望を止めざるを得ない今。
その欲望の炎が、
この精神の雨風で静かに消されようとしてゐる。
炎が消えると、
人々は呆気にとられるだらう。
「これまでは、一体、何だつたんだ」と。
さうして、わたしたち人類は、
己れのまことのこころから、
太陽のやうな精神の曙の光が、
昇つて来るのを見るだらう。
経済成長が人を支へるのではなく、
こころの奥底からの成長こそが、
人を支へてゐることに、
人類の多くが気づき始める。
そして、
そのやうに物質至上主義を脱するとき、
最後に居残るエゴイズムは、
「心配」として人の脳に巣食ひ、
「憂ひ」として人の胸を闇の中に閉ざすと言ひます。
(ゲーテ『ファウスト』第二部第五章より)
いま、「心配」「憂ひ」に、
こころを捉われてゐる友よ。
目覚め、こころの甦る日は、
今日です。
復活祭の日の前の夜に、
そんな夢を見たら、
やつぱり朝から雨と風でした😊
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