林武「花」
わたしは稔りゆく己れの力を感じる。
その力は強められたわたしを世に委ねる。
わたしのわたしたるところを力強く感じる、
明るみへと向かふべく、
生きることの仕合はせが織りなされる中で。
Ich fühle fruchtend eigne Kraft
Sich stärkend mich der Welt verleihn;
Mein Eigenwesen fühl ich kraftend
Zur Klarheit sich zu wenden
Im Lebensschicksalsweben.
この秋といふ季節に、
稔りゆく<わたし>の力は、
どこから得られるか。
わたしがわたしみづからを
支へ引き上げていくための力は、
どこから得られるか。
「稔りゆく己れの力」
「強められたわたし」
「わたしのわたしたるところ」
これらは、みな、
己れから己れを解き放ち、
己れの小なる力を諦め、
大なるものに己を委ね、任せられるとき、
感じられるものではないだらうか。
大いなるもの、それを「世」と言ふのなら、
世の力の源は決して枯れることがない。
その源から、
<わたし>は常に力をiいただいてゐる。
その繋がりを信頼して、
今日も仕事をしていかう。
今日といふ一日、明日、あさつて・・・
「生きることの仕合はせ(運命)が
織りなされる中で」何が待つてゐるのだらう。
小さなわたしが
あれこれと采配していくのではなく、
大いなるものがわたしの生を
織りなしてくれてゐることへの
信頼を育みつつ、
勇気をもつて、今日も仕事をしていかう。
そのときこそ、
「わたしのわたしたるところ」
「強められたわたし」が、
きつと顕れてくる。
今日も、ていねいに、
牛のやうにひたすら押しながら、
「明るみへと向かふべく」仕事をしていかう。
わたしは稔りゆく己れの力を感じる。
その力は強められたわたしを世に委ねる。
わたしのわたしたるところを力強く感じる、
明るみへと向かふべく、
生きることの仕合はせが織りなされる中で。
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