2019年09月27日

こころのこよみ(第24週) 〜生産的であるもののみがまことである〜



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みづからを絶えず創り上げつつ、
 
こころは己れのありやうに気づく。
 
世の精神、それは勤しみ続ける。
 
みづからを知ることにおいて、新しく甦り、
 
そして、こころの闇から汲み上げる、
 
己れであることの意欲の稔りを。
 
 
 
Sich selbst erschaffend stets,         
Wird Seelensein sich selbst gewahr;      
Der Weltengeist, er strebet fort        
In Selbsterkenntnis neu belebt        
Und schafft aus Seelenfinsternis       
Des Selbstsinns Willensfrucht.     
 
 
 
創る人は幸ひだ。生み出す人は幸ひだ。育てる人は幸ひだ。
 
金と引き換へにものを買ひ続け、サービスを消費し続ける現代人特有の生活のありやうから、一歩でも踏み出せたら、その人は幸ひだ。
 
その一歩は、料理を作ることや、手紙や日記を書いてみることや、花に水をやることや、ゴミを拾ふことや、そんなほんの小さな行ひからでもいいかもしれない。
 
この手と脚を動かし、世と触れ合ふ。
 
そのやうな行為によつてこそ、みづからを創り上げることができ、その行為からこそ、こころは己れのありやうに気づく。
 
そして、「世の精神」。
 
それは、一刻も休まず、勤しみ、生み出してゐるからこそ、「世の精神」であり、だからこそ、太陽や月は周期を持ち、四季は巡る。
 
「世の精神」はそのやうにして絶えず勤しみながら、人に働きかけ、また人からの働きかけを受けて、絶えず己れを知りゆかうとしてゐる。
 
「世の精神」は、人にみづからを捧げ、愛を与へようとし、人から愛を受け取る。

その交流を通して、より確かに己れといふものを知りゆき、己れを知れば知るほど、そのつど新たに新たに「世の精神」は甦る。
 
「世の精神」には、人が必要なのだ。人の働きを待つてゐるのだ。
 
同じく、わたしたち人は、そんな「世の精神」に倣ひつつ、地球上のものといふものに働きかけ、ものを愛し、ものに通じていくことをもつて、みづからを新たに新たに知りつつ、たとへ、肉体は年老いても、そのつどそのつどこころは甦り、精神的に若返ることができる。
 
我が国、江戸時代中期を生きた稀代の国学者、本居宣長(1730-1801)も、そして、ゲーテ(1749-1832)といふ人も、その「世の精神」に倣ひ続け、「ものにゆく道」を歩き通した人であり、両人の残された仕事の跡を顧みれば、晩年に至るまでのその若々しい生産力・創造力に驚かされる。
 
シュタイナーは、そのゲーテのありかたをかう言ひ当ててゐる。
 
 
ーーーーー
 
ゲーテは、ひとたび、こんな意味深いことばを語りました。
 
「生産的であるもののみが、まことである」
 
それは、かういふことです。
 
人は、きつと、みづからを、まことの有するところとなします。
 
そして、まことは働きかけます。
 
そして、人が生きて歩むとき、まことは、まことであることの証を、生産的であることを通して見いだします。
 
これが、彼にとつて、まことの試金石でした。
 
すなはち、生産的であるもののみが、まことです。
 
(1908年10月22日 於ベルリン 講演「ゲーテの密やかなしるし」より)
  
ーーーーー
 
 
 
秋には、「己れの力」が「意欲の稔り」として発露してくる。
 
創ること、生み出すこと、育てることなどの行為は、わたしたち人にこころの確かさ、安らかさ、活発さを取り戻させてくれる。
 
そして、行為し、ものと交はり、人と交はる時に、各々人は初めて、己れのこころの闇に直面する。壁に突き当たる。
 
しかしながら、その己れの闇を認め、赦すことからこそ、「わたしはある」「わたしはわたしである」といふ、こころの真ん中の礎である情に目覚め、己れであることの意欲の稔りを、汲み上げていく。
 
「ものにゆくこと」「生産的・創造的であること」、それがまことへの道だ。
 
 
 
 
みづからを絶えず創り上げつつ、
こころは己れのありやうに気づく。
世の精神、それは勤しみ続ける。
みづからを知ることにおいて、新しく甦り、
そして、こころの闇から汲み上げる、
己れであることの意欲の稔りを。
 
 


posted by koji at 22:26 | 大阪 ☀ | Comment(0) | こころのこよみ(魂の暦) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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