毎日、生徒さんたちが語つてくれる昔話を聴いてゐて、また自分自身も昔話の練習をしてゐて、よく感じること。
それは、現代の書籍などに印刷された昔話の多くが、リアリティーを失つてゐるといふことなのです。
失はれてゐるのは精神的なリアリティーであり、逆に、唯物的リアリティーは強められてゐる。
昔話を言語造形してゐるうちに、このお話は、そもそも、もつと神々しい調べを湛えてゐたのではないかと感じさせられることが多いのです。
洋の東西を問はず、代を経て人から人へと昔話が語り継がれていくうちに、神といふ存在が人々にとつて、だんだんと縁遠いものになつてきたやうなのです。
さうすると、昔話といふ本来は霊的・精神的なお話であつたものが、おのづから精彩を失つてしまつた。
その精彩を補ふべく、お話を必要以上に滑稽化、笑ひ話化させたり、お話の肝腎要の針のやうなものを抜いてしまひ、残酷さを強調しないやうに変形して、現代人の意識に抵抗の無いやうに、お話を丸く収めようとしたりしてゐる。
言語造形を通して、神話、昔話や物語、そして演劇、詩に取り組んでいくうちに、本来、ことばの芸術は、俗なところを踏まえながら、なほかつ俗なところを越え出て、聖なるところ、神々しいところへと辿りつくやう、人を誘(いざな)つてゐることが分かつてきます。
その聖なるところ、神々しいところを、我が国では、古来、「言霊の風雅(みやび)」と称してきました。
ことばの風雅(みやび)やかなところを、言語造形をすることで作品から汲み取つてゆく。
その風雅やかなところに触れるとき、人は、生まれてくる前の世、精神の世、生きながらにして味わうことのできる混沌とした創造の力を感じることができます。
そして、先の代から伝はつてきてゐる日本語の美、力を、後の代へと伝へていきたい、伝へなければ、といふ念いが込み上げてきます。
人は、とりわけ、子どもたちは、俗なるところ、平凡なところを抜け出て、ことばの風雅やかなところをこそ聴きたがつてゐる。なぜなら、人はそもそも精神的な存在なのだし、とりわけ子どもは大人に比べてずつと精神的な存在だからです。
そんなことばの風雅、言霊の風雅を、この秋から、新しく、言語造形を通して、見いだし、聴き取つていく練習を重ねていきませんか。
10月から新しいタームに入る、月に二回、第二・第四日曜日に開いてるクラス。
また月に一回の水曜クラス(第二)。
それぞれ午前10時からのクラスです。
若干名の学び手を募集してをります。まづは一回の体験ご参加をお勧めいたします。
お待ちしてをります。
講師:諏訪耕志
●日曜 帝塚山クラス(月2回)
日程 毎月 第2・第4日曜日
時閨@ 午前クラス 10:00 - 12:30
午後クラス 14:00 - 16:30
参加費 体験 3,500円
12回連続(半年分) 36,000円
●水曜 帝塚山クラス(月1回)
日程 毎月 第2水曜日
時閨@ 10:00 - 12:30
参加費 体験 3,500円
12回連続(一年分) 36,000円
会場・お申し込み・お問ひ合はせ:
「ことばの家」帝塚山ヘ室
http://www.kotobanoie.net/access.html
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