2019年06月01日

こころのこよみ(第7週)〜さあ、来たれ、わたしの予感よ〜


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わたしのわたしたるところ、
  
それはいまにも離れ去らうとしてゐる、
 
世の光に強く引き寄せられて。
 
さあ、来たれ、わたしの予感よ、
 
あなたの力に満ちたふさわしさの中に、
 
考へる力に代はつて。
 
考へる力は感官の輝きの中で、
 
みづからを見失はうとしてゐる。
 
        ルドルフ・シュタイナー
 
 
 
Mein Selbst, es drohet zu entfliehen,
Vom Weltenlichte mächtig angezogen.
Nun trete du mein Ahnen
In deine Rechte kräftig ein,
Ersetze mir des Denkens Macht,
Das in der Sinne Schein
Sich selbst verlieren will.
 
 
 
 
人は、芸術に取り組むとき、ある種の息吹きを受ける。
 
シュタイナーは、そのやうな、芸術をする人に大いなる世から吹き込まれる息吹きを、インスピレーションと呼んだ。
 
(Inspiration は、ラテン語の insprare (吹き込む)から来てゐる)
 
一年の巡りで言へば、わたしたちは、秋から冬の間に吸ひ込んだ精神の息、精神の風、「インスピレーション」を、春から夏の間に芸術行為をもつて解き放たうとしてゐる。
 
秋から冬の間、「わたしのわたしたるところ」「考へる力」はそのインスピレーションを孕(はら)むことができたのだ。
 
その「わたしのわたしたるところ」「考へる力」が、変容して、春から夏の間のこの時期、意欲の力として、からだを通して息が吐かれるやうに、大いなる世へと拡がつていかうとしてゐる。
 
 
「わたしのわたしたるところ、
 それはいまにも離れ去らうとしてゐる」
 
 
その精神の吐く息に連れられて、芸術行為を通して「わたしのわたしたるところ」「考へる力」は、外の世に拡がつてゆく。働きかけてゆく。
 
芸術をするとは、頭で考へることを止めて、みづから頭が空つぽになるまで手足を働かせることである。
 
それは、世の光に引き寄せられることであり、自分のからだの外にこころが出て行くことである。
 
 
「世の光に強く引き寄せられて」
 
 
さうして、外へと出て行くほどに、光の贈りものをいただける。 
 
その光の贈りものとは、「予感」といふ、より高いものからの恵みである。
 
 
「さあ、来たれ、わたしの予感よ、
 あなたの力に満ちたふさわしさの中に、
 考へる力に代はつて」
 
 
芸術とは、インスピレーションといふ世の風に吹き込まれつつ、予感といふ世の光に従ふことである。
 
練習を通して初めてやつてくる予感に沿つていくことである。練習とは、身を使ふことである。
 
秋から冬、インスピレーションを孕んだ考へる力が、まづは頭から全身に働きかける。
 
その精神の息吹きを、春から夏、練習によつて、解き放つていく。
 
その息吹きが練習によつて解き放たれるその都度その都度、予感が、光として、ある種の法則をもつたものとしてやつてくる。
 
インスピレーションが、胸、腕、手の先、腰、脚、足の裏を通して、息遣ひを通して、芸術として世に供され、供するたびに、芸術をする人はその都度、予感をもらえるのだ。
 
この小さな頭でこざかしく考へることを止めて、やがて己れに来たるべきものを感じ取らうとすること。
 
「さあ、来たれ、わたしの予感よ」と精神に向かつて呼びかけつつ、動きつつ、待つこと。
 
それは、秋から冬の間、明らかに紛れなく考へる働きとは趣きがまるで違ふが、アクティビティーにおいては、それに負けないぐらゐの強さがゐる。
 
世から流れてくるものを信頼すること。
 
そして、そのやうな、身の働きの中で、芸術行為の中で、予感が恩寵のやうにやつてくる。
 
だから、この季節において、考へる力は、感官の輝きの中で、手足の働きの中で、意欲の漲りの中で、見失はれていいのだ。
 
 
「考へる力は感官の輝きの中で、
 みづからを見失はうとしてゐる」
 
 
そして、積極的に手足を使つて、息を解き放ち、力を揮つて、感官の輝きの中で、創造に勤しむのだ。
 
 
 
わたしのわたしたるところ、
それはいまにも離れ去らうとしてゐる、
世の光に強く引き寄せられて。
さあ、来たれ、わたしの予感よ、
あなたの力に満ちたふさわしさの中に、
考へる力に代はつて。
考へる力は感官の輝きの中で、
みづからを見失はうとしてゐる。
 
 


posted by koji at 22:54 | 大阪 | Comment(0) | こころのこよみ(魂の暦) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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