
こころの深みから
精神がみづからありありとした世へと向かい、
美が空間の拡がりから溢れ出るとき、
天の彼方から流れ込む、
生きる力が人のからだへと。
そして、力強く働きながら、ひとつにする、
精神といふものと人であることを。
ルドルフ・シュタイナー
Wenn aus den Seelentiefen
Der Geist sich wendet zu dem Weltensein
Und Schönheit quillt aus Raumesweiten,
Dann zieht aus Himmelsfernen
Des Lebens Kraft in Menschenleiber
Und einet, machtvoll wirkend,
Des Geistes Wesen mit dem Menschensein.
ものをぢつと観る。ものがありありとしてくるまで、ぢつと観る。そのとき、こころの深みが動く。こころの力を振り絞つて、そのものとひとつにならうとするとき、わたしの精神とものの精神との交流が始まる。
そして、また、そのときに、方向で言へば、まさに上から、天から、そのつどそのつど、フレッシュな光、息吹き、啓けがやつてくる。
言語造形をしてゐるときも、同じだ。
みづから稽古してゐるとき、うまくいかなくても、それでも繰り返し、繰り返し、ことばがありありとしたものになるまで、美が立ち上がつてくるまで、ことばに取り組んでゐるうちに、また、他者のことばをこころの力を振り絞りながら聴いてゐるときに、「これだ!」といふ上からの啓けに見舞はれる。
そのたびごとに、わたしは、力をもらえる。喜びと安らかさと確かさをもつて生きる力だ。
精神である人は、みづからのこころとからだを使つて、ぢつと観る。聴く。働く。美を追ひ求める。
そのとき、世の精神は、力強く、天から働きかけてくれる。
そして、精神と人とをひとつにしようとしてくれてゐる。
人と世が、美を通して出会ひ、(横の出会ひ)
人と天が、生きる力を通して出会ひ、(縦の出会ひ)
その横と縦の出会ひが十字でクロスするところで、『こころのこよみ』は、この第52週をもつて一年を終へる。
こころの深みから
精神がみづからありありとした世へと向かい、
美が空間の拡がりから溢れ出るとき、
天の彼方から流れ込む、
生きる力が人のからだへと。
そして、力強く働きながら、ひとつにする、
精神といふものと人であることを。
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