昨日、諏訪千晴による『おはなしペチカ 舟』、無事終演いたしました。
ご来場下さつた皆さん、お手伝ひをして下さつた皆さん、共演者の皆さん、本当にありがたうございました。


「亀のこうらの夢を見て」リハーサル時の次女
この『舟』といふ詩を、舞台に於ける言語芸術としていくこと。
それが、彼女がここ数か月、懸命に取り組んできたことでした。
そのプロセスにつきあつていく中で、聴き手であるわたし自身に働きかけてくるものは、深い、深い、女性的なるもの、永遠の乙女からの声、とも言ひたくなるものでした。
それは、天上的と言ふよりも、むしろ、地下的、黄泉の国からの声のやうにわたしに働きかけてきたのでした。
その黄泉の国とは、黄泉の国でありながらも、つまるところは、天上の高天原(たかまのはら)と重なるやうに感じるのですが、しかし、やはりその声は黄泉の国からのものであると感じられました。
そして、彼女が稽古を積み重ね、腰から下、下半身の動きを通しての声となつて行くに従つて、だんだんと、聴き手のわたしの意識の下、無意識と言つてもいいやうなところへと働きかけてくるやうになりました。
つまり、聴いてゐて、訳もなく、涙が流れるやうになつてきました。
言語の音韻が鳴りたがつてゐる響きにこちらが耳を澄ませることによつて、ことばのひとつひとつが発音されていく。
それによつて、表面上の女っぽさが消え、永遠の乙女、永遠の女性的なるものの声が、響いてきたやうに感じてゐます。
音楽の演奏を荷つて下さる足利智子さんが示唆してくれることばはいつもとても印象深いのですが、今回も、こんなことばを伝へてくれました。
「今度の舞台創りは、何か『女』としての責任のやうなものを荷つてゐる仕事のやうに感じる」
そのことばの意味するところ、深く、男であるわたし自身にとつてこそ、追い求める、それこそ永遠のテーマであります。
今回の舞台のあと、この詩の作者である稲尾教彦さんによる、この『舟』を含む数々の詩作品を参加者一人一人が順番に声に出していく、そんな素晴らしい時間が創られました。
そのとき、参加者の方から響き出たことばの響きの切実さに、わたしは、泣きました。
人前で泣くことはほとんどないと自分では勝手に思ひ込んでゐるのですが、泣いてしまひました。
今回の舞台のために、想芸館の奥田 英明さんご一家はじめ、たくさんの方々がご協力くださいました。
皆さん、改めまして、本当にありがたうございました。
言語造形といふ芸術を、よりいっさう、確信的に、繰り広げていきます。
また、どうぞ、これからも、よろしくお願ひ申し上げます。

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