2018年09月23日
前夜の準備
仕事をする上でわたしが大切にしてゐることのひとつに、前日の晩、眠る前に、次に日に会ふひとりひとりの人のお顔、姿、声、表情などを親しく想ひ浮かべるといふことがあります。
さらに、そのおひとりおひとりの後ろにをられる、目には見えない存在の方々とわたしの仕事が結びつくやうお祈りをします。
ちょつと、ぎょつと思はれるかもしれませんが、そのやうな精神の世の方々との共同作業こそが、これまでのわたしの仕事を支えてきてくれたやうに思ひます。
また、メルヘンや昔話を、夜寝る前に改めて味はふことがとてもよくて、その行為によつて、お話しの中に息づいてゐる精神の世の方々との協働が翌日生まれます。
例へば、グリムメルヘンの『ルンペルシュティルツヘン』。
夜の間に藁(わら)を紡いで金にすることができる小人、ルンペルシュティルツヘン。
メルヘンを味はふ、わたしの内なる藁を、金に変えてくれる。
願ひではなく、そんな確信をもつての前夜の準備です。
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