今日も、名張から大阪難波に向かふ電車から萬葉歌の故郷の地を眺める
4500首以上の歌を集めた萬葉集のはじまりの歌。それが、第21代 雄略天皇の御製歌です。天皇のお歌をはじまりに置いたのは、編纂者 大伴家持の明確な意思の表現でありました。
おひとりの天皇に通ふ、ありあまる神の力、その男性的な力。それは、国の産業の中心である米作りをその年その年の豊作へと導きもすれば、男と女の間の愛を高め、むすび(産みなす力)へと導き、国をいやさかに栄へさせてゆく原動力なのでした。
萬葉集は、そのやうな国の原動力、源泉としての天皇(すめらみこと)への信仰と思想を土台にした詩歌集です。
萬葉集のはじまりの歌は、そんな天皇による妻問ひの歌です。
泊瀬の朝倉の宮に天の下しろしめしし天皇の代
天皇のみよみませる御製歌
籠もよ み籠持ち 堀串もよ み堀串持ち
この丘に 菜摘ます子 家告らせ 名のらさね
そらみつ 大和の国は
おしなべて 吾こそ居れ
しきなべて 吾こそ座せ
吾をこそ 夫とは告らめ 家をも 名をも
雄略天皇の泊瀬の朝倉の宮跡と推定されてゐる地へと登り、そこでこの歌を朗唱すると、向かうには天皇が見晴るかされた忍坂山、倉橋山が聳えてゐます。
南に開ける狭い裾野を見下ろしながら、千五百年以上前にもここに雄略天皇が立たれ、菜を摘む美しい乙女に妻問ひの歌を歌はれたのだと、想像力を働かせながら、萬葉集のはじまりのその歌とひとつになる。
そのとき、歌のもつ春の息吹き、創造力、生産力、生殖力、むすびの働きが言霊となつて、日本といふ国を支へてきたこと、そして、いまも、これからも、支へ、育んでいくのだ、と強く念つたのです。
そのやうに、歌とひとつになる、ことばとひとつになる。
さうして、ことばの息吹きを復活させていく。
それが、わたしたち『ことばの家 諏訪』の仕事です。
●和歌(やまとうた)を学ぶ会
萬葉集の歌をひとつひとつ言語造形していきながら、日本の和歌をからだまるごとで学んでいきます。
さうして、自分自身に、ことばの美、言霊の風雅(みやび)が通ひ、自分自身のこころの底から自分自身の歌が迸り出てくることを目指して、修練を積んでいきます。
和歌の実作にも挑んでいきませう。
毎月第四水曜日 午前10時から12時半まで
ことばの家 諏訪にて ↓
https://kotobanoie.net/yamatouta/
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